【<43>マンション管理士・管理業務主任者試験対策】鉄筋コンクリート造の劣化症状について

 

平成26年度のマンション管理士試験は11月30日(日)、管理業務主任者試験は12月7日(日)に行なわれます。

受験する人のお役に少しでも立てればと思い、私が勉強していてわかりにくかったところ、ひっかかりやすかったところなどをアップしていきたいと思います。

 

7209965342_74ec16941a_m photo by Stefano Montagner

 

第43回は鉄筋コンクリート造の劣化症状です。

 

調査・診断の分野で鉄筋コンクリート造の劣化症状は身近な素材なので、出題頻度も多い様です。

 

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ポイントは……

 

ひび割れ

鉄筋に沿う:面的に見て鉄筋が配置されている位置と思われる箇所に発生するひび割れ

開口周辺:開口の隅角部から発生する斜めのひび割れ

網目状:網目状のひび割れ、ただし1m以内に近寄らないと判別できないような細かいものは除く

その他:規則性があるかどうかを問わず、上記以外のひび割れ

 

浮き:鉄筋のかぶり厚等が浮いている状態

 

剥落

仕上げ材・コンクリート:仕上げ材がはがれ落ちた状態、または浮いていたコンクリートが躯体からはがれ落ちた状態

 

錆汚れ:腐食した鋼材の錆が流出して、コンクリートの表面に付着している状態

 

白華現象(エフロレッセンス):コンクリートの表面に出た白色の物質。セメント中の石灰などが水に溶けて表面にしみ出し、空気中の炭酸ガスと化合してできたものが主成分

 

ポップアウト:コンクリート内部の部分的な膨張圧によって、コンクリート表面の小部分が円錐形のくぼみ状に破壊された状態

 

脆弱化した表面:凍害、すり減りなどにより脆弱化したコンクリートの表面

 

その他の汚れ:カビ、煤煙、コケ類などによる汚れ

 

漏水痕跡:過去に漏水現象が生じた形跡で、白華現象(エフロレッセンス)を伴うことが多い

 

異常体感:たわみ、傾きにより生ずる異常感、床の振動、建具の開閉感覚など

 

コールドジョイント:先に打ち込んだコンクリートと後から打ち込んだコンクリートが完全に一体化していない現象

 

アルカリ骨材反応:アルカリ反応性骨材とセメントなどのアルカリ分が長期にわたって反応し、生成される物質が膨張することによりコンクリートにひび割れや崩壊を生じさせる現象

 

ジャンカ:豆板(まめいた)とも呼ばれ、コンクリート打設の際、モルタルペーストの回りが悪い部分に砂利が集まり、空隙ができた状態

 

コンクリートの劣化症状については種類が多いので、わかりやすそうなのに試験のときには「あれなんだっけ?」となりがちな部分でもあると思います。

 

マンション管理士試験と管理業務主任者試験の共通項目になっていますが、どちらかといえば管理業務主任者試験のほうでマークしておきたい項目でしょう。

 

鉄筋コンクリートの劣化現象とは、構造躯体である鉄筋コンクリートの劣化が、建物の表面に不具合となって現れるものですので、マンションの寿命に大きな影響がある不具合であることを念頭に、しっかり記憶しておきましょう。