【<11>マンション管理士・管理業務主任者試験対策】相手方の催告権と取消権について

 

平成26年度のマンション管理士試験は11月30日(日)、管理業務主任者試験は12月7日(日)に行なわれます。

受験する人のお役に少しでも立てればと思い、私が勉強していてわかりにくかったところ、ひっかかりやすかったところなどをアップしていきたいと思います。

 

7209965342_74ec16941a_m photo by Stefano Montagner

 

第11回は相手方の催告権と取消権です。

 

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ポイントは……

 

1)無権代理人の相手方は、本人に対して、相当の期間を定め、その期間内に追認するかどうか確答せよと催告できる。

2)本人が1)の期間内に確答しない場合は、追認を拒絶したものとみなされる。

3)相手方は、本人の追認がないあいだは、無権代理につき善意の場合にかぎって、無権代理人の結んだ契約を取り消すことができる。

 

 

無権代理とは、代理権がない代理行為のこと。代理が成り立つためには、本人と代理人のあいだに代理権が必要です。

 

権利がないのに代理行為を行なった相手と契約した当事者は、とても不安定な立場になります。これを保護するのが「催告権」と「取消権」の目的になります。

 

「催告権」は、本人すなわち権利のある契約当事者に対して「追認するかどうか」の確答を「催告」できることを指しています。このときに相当の期間を定める必要があります。

 

また、契約の代理人に代理権がなかったことを知らなかった場合(善意の場合)にかぎって、契約を取り消すことができる「取消権」が認められます。

 

「催告権」と「取消権」のいずれも、契約の本人の追認がされるまでに行使できる権利であることを忘れずに。追認されれば、代理人が無権か無権でないかは関係なくなるからです。

 

本人の追認拒絶によって契約の無効が確定した場合(これは取消ではないところにも注意が必要です)、無権代理人と契約した相手方は、原則として無権代理人に対して契約の履行または損害賠償のどちらかを選んで責任を追及することができます。この責任追及に付いては、相手方は無権代理に対して善意・無過失である必要があります。つまり、無権代理であることを知っていた、知りえる立場にいながら調査等を怠ったといった事情が明らかになる場合には責任を追及できないということです。
 

もうひとつおまけ。追認できるようになったときから5年間経つと、取消権は消滅します。また、契約したときから20年経つと取消権は消滅します。これも併せて覚えておきたいポイントです。