【<32>マンション管理士・管理業務主任者試験対策】管理費等の消滅時効について
平成26年度のマンション管理士試験は11月30日(日)、管理業務主任者試験は12月7日(日)に行なわれます。
受験する人のお役に少しでも立てればと思い、私が勉強していてわかりにくかったところ、ひっかかりやすかったところなどをアップしていきたいと思います。
第32回は管理費等の消滅時効です。
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ポイントは……
●管理費および修繕積立金に係る債権は、5年で消滅時効が完成する。
●訴えの取下げ、却下がなされた場合には、時効の中断は生じない。
●滞納管理費等の一部であることを明示してなされた弁済は、残部の滞納管理費等の消滅時効を中断する。
●催告は、その6ヶ月以内に、裁判上の請求等をしなければ、確定的に時効の中断の効力が生じない。
●時効の利益を受けようとする者が時効の援用をしないかぎりは、債権・債務は消滅しない。
ポイントは5つです。
マンション管理組合が、組合員である区分所有者に対して有する管理費および修繕積立金に係る債権は「定期給付債権」に当たり、5年で消滅時効が完成するとされています。
借金の消滅時効は10年(貸主が商売として行っている場合は5年)なので混同しそうですが、滞納管理費の消滅時効は「5年」と覚えましょう。
実際に理事になったときにも役に立ちます。
「催告」だけでは時効は中断せず、6ヶ月以内に「裁判上の請求等」をする必要があります。
「裁判上の請求等」は、具体的には「支払督促の申立て」です。これによって時効を中断させることができるので、滞納者に対して管理組合が行う滞納対策のひとつとして記憶しておきましょう。
消滅時効の期間が満了していても、滞納者が時効の援用をしなければ時効の効果は発生しません。
「時効の援用」とは、「消滅時効期間を過ぎている」と相手に伝えることです。
これをしないかぎりは、管理組合等の債権者は滞納者に対して滞納管理費等の支払いを請求することができます。
一見矛盾しているように感じますが、実際のやりとりはともかく、法律上は「相手が時効だと言わないかぎり支払いの請求はできる」という建前になるということです。