【<18>マンション管理士・管理業務主任者試験対策】所有権の取得時効の要件と消滅時効の中断事由について

 

平成26年度のマンション管理士試験は11月30日(日)、管理業務主任者試験は12月7日(日)に行なわれます。

受験する人のお役に少しでも立てればと思い、私が勉強していてわかりにくかったところ、ひっかかりやすかったところなどをアップしていきたいと思います。

 

7209965342_74ec16941a_m photo by Stefano Montagner

 

第18回は所有権の取得時効の要件と消滅時効の中断事由です。

 

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ポイントは……

 

1)所有権の取得時効の要件は、所有の意思をもって、他人の物を平穏・公然に、20年間または10年間、継続して占有することである。

2)時効期間は、占有者が占有を始めたときに善意・無過失であれば10年(短期取得時効)、悪意または善意・有過失の場合は20年(長期取得時効)である。

 

「所有権」とは、物を自由に使ったり売ったりできる権利のこと。「所有の意思」つまり自分が使ったり売ったりできると思っていることのことですから、「賃貸借契約」を結んでいたりすれば「所有の意思がない」とみなされ、この要件からはずれます。

 

「平穏に」とは、暴力的な方法ではないこと。「公然に」とは、隠していないことです。

 

「善意」と「悪意」についてはすでに民法のところで勉強していると思いますが、「善意=知らない」「悪意=知っている」という法律用語であることを押さえておきたいです。

 

「過失の有無」については、不動産の場合は登記簿を見て登記上の名義人を確認したうえでの購入したのに実際の所有者が異なっていた場合などが該当するでしょう。登記上の名義人を信じて売買契約を成立されたのであれば無過失、実は別の所有者がいる情報をつかんでいれば有過失になります。有過失でも長期取得時効の要件になります。

 

所有権以外にも、地上権、地役権、永小作権などについて時効取得することができます。

 

所有権および地上権、地役権、永小作権などの「財産権」は20年で消滅時効にかかります。それ以外の一般債権の消滅時効は10年ですので、併せて覚えておきたいポイントです。

 

時効の中断事由には、1)請求、2)差押え・仮差押え・仮処分、3)承認、の3種類があり、中断事由としての請求には、裁判上の請求・催告などがある。

 

時効を中断させるには、3つの手段を必要とします。

 

「催告」も中断事由となる請求のひとつですが、裁判外の請求となるため、催告後6ヶ月以内に裁判上の請求をしないと時効の中断事由となりませんので注意が必要です。

 

「時効の中断」については、マンション管理組合運営上では管理費等の滞納問題の際に実際に必要となる重要な知識ですので、要チェックです。