【<16>マンション管理士・管理業務主任者試験対策】物上代位について

 

平成26年度のマンション管理士試験は11月30日(日)、管理業務主任者試験は12月7日(日)に行なわれます。

受験する人のお役に少しでも立てればと思い、私が勉強していてわかりにくかったところ、ひっかかりやすかったところなどをアップしていきたいと思います。

 

7209965342_74ec16941a_m photo by Stefano Montagner

 

第16回は物上代位です。

 

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ポイントは……

 

抵当権者は、抵当権の目的物の売却、賃貸、滅失または損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対して、抵当権の効力を及ぼすことができる。ただし、抵当権者は、その払渡しまたは引渡しの前に差押えをしなければならない。

 

<15>に続いて抵当権がらみの内容です。

 

抵当権の目的物が消失した場合、抵当権者は「物上代位権」を行使することができます。具体的には火災保険金や賃料、不法行為による損害賠償請求権などです。

 

要するに、抵当権の目的物が無くなったり変わったりしても、その権利は変わらずに存在しますよ、ということです。

 

ただし、この物上代位には条件があります。

 

払渡しの前に「差押え」をする必要があるのです。

 

ということは、抵当権を設定している建物が火災により焼失した場合、当該建物の火災保険金がかけられていれば、その火災保険金請求権に対して抵当権の効力を及ぼすことができるというわけです。これが物上代位です。

 

しかし、抵当権者がこの物上代位権を行使するには、保険金が支払われる前に差押えの手続きをしておかなければなりません。

 

従って、「火災保険が支払われた後に差押えをすれば物上代位することができる」という問いは間違いなので、ひっかからないようにしてください。

 

物上代位は火災保険金の「請求権」に対して行使できるもので、支払われてしまってからの「保険金」には効力が及ばないからです。これは、支払いを無効にできないことが理由だと考えられます。支払う前に、請求権に対して物上代理をするために差押えを裁判所に認めれもらえれば、支払先としての権利を保険会社に主張できるわけです。