問17|マンション管理士試験過去問解説2016年版

今年のマンション管理士試験は、「平成28年11月27日(日)午後1時〜3時」で実施されます。

当サイトでは、2015年(平成27年)の試験で出題された問題を解説して、この国家資格の受験を少しでもサポートできればと考えました。

また、試験を受けるつもりはないという人にも、マンション管理に役立つ基本的な知識を身につけるいい機会となりますので、ご一読いただければと思っています。

では、本日の解説はこちら。

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問17の問題の分野と難易度

問17は、民法と品確法に関する出題です。

難易度は、ちょっと難しそうです。

問17の問題文

 

〔問 17〕 分譲業者Aが、Bに新築建物である甲マンションの101号室を売却し、建物に隠れた瑕疵が発見された場合の瑕疵担保責任に関する次の記述のうち、民法及び住宅の品質確保の促進等に関する法律の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。ただし、売買契約に瑕疵担保責任についての特約はなかったものとする。

 

問17の選択肢と解説

 

1 AからBに店舗である101号室が引き渡された1年後に、内壁の塗装に隠れた瑕疵が発見された場合、Bは、Aに対し、損害賠償請求をすることはできない。

品確法の対象範囲は、構造耐力上主要な部分または雨水の浸入を防止する部分となっていて、この部分に瑕疵について担保責任を負うとするものです。また、その建築物は住宅として提供されているものでなければなりません。この肢では、内壁が構造耐力上主要な部分とは認められず、店舗であることからも品確法には適合しません。なので、×。

2 AからBに住宅である 101号室が引き渡された5年後に、構造耐力上主要な部分としての柱に隠れた瑕疵が発見された場合、その瑕疵が重要でなく、その修補に過分の費用を要するときは、Bは、Aに対し、柱の瑕疵を修補するよう請求することができない。

品確法では、10年間は新築住宅の責任を負う期間と定めています。しかし、瑕疵が重要ではなく、過分の修補費用を必要とする場合は、その費用までも売主には請求できないと定められています。なので、○。

3 AからBに住宅である 101号室が引き渡された5年後に、構造耐力上主要な部分としての柱に隠れた瑕疵が発見され、Bが、Aに対し、柱の瑕疵の修補請求を行い、Aがこれを完了したときは、修補完了後もBに損害が残存していたとしても、Bは、Aに対する損害賠償請求をすることはできない。

民法の請負の担保責任では、瑕疵の補修に変えるか、その補修とともに、損害賠償の請求ができると定めています。品確法はこれを準用しているので、補修とともに損害賠償の請求もできることになります。なので、×。

4 AからBに住宅である 101号室が引き渡された1年後に、建物の浴槽に隠れた瑕疵が発見された場合、BがAに対し損害賠償請求を行うには、瑕疵の発見から1年以内に裁判上の権利行使をしなければならない。

品確法に定める瑕疵担保責任は、物件が引渡されてから10年間は負わなければなりません。そして買主は、瑕疵を発見したら、その権利行使は1年以内に行なわなければならないと定められています。ただし、行使に関して、裁判を必要とする規定はありません。なので、×。

問17の正解

問17の正解は、肢2となります。