02|マンション管理士試験過去問解説2016年版

今年のマンション管理士試験は、「平成28年11月27日(日)午後1時〜3時」で実施されます。

当サイトでは、2015年(平成27年)の試験で出題された問題を解説して、この国家資格の受験を少しでもサポートできればと考えました。

また、試験を受けるつもりはないという人にも、マンション管理に役立つ基本的な知識を身につけるいい機会となりますので、ご一読いただければと思っています。

では、本日の解説はこちら。

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この問題の分野と難易度

問2は、区分所有法と民法の、管理組合や管理組合法人に関する出題です。

難易度は、得点源レベルです。

問題文

〔問 2〕 管理組合と管理組合法人に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。

選択肢と解説

 

1 管理組合の滞納管理費等に係る債権は、区分所有者全員に団体的に帰属する債権であり、区分所有者全員と当該滞納者との間の債権債務関係である。

まず押さえるべきは、管理組合が法人ではないと法的には解釈されること。これが管理する債権については、人格のない団体ではなく、団体を構成する人すなわち区分所有者全員に帰属することになります。そのために、この設問の内容は正しくので、○。

2 管理組合の管理者が職務の範囲内において第三者との間でした行為については、区分所有者は共用部分の持分の割合でその責めに任ずる。

管理者すなわち管理組合理事長が組合を代表して管理にかんするさまざまなことを実行しているわけですが、外部との契約についてそのすべての責任を負うのではなく、共用部分の持ち分割合という権利相当の責任負担となるということを法律で定めています。もちろん管理組合内部では理事長の勝手な行為などを追究できますが、対外的にはマンション管理組合全体の連帯責任でなければ不都合が生じると考えているわけですね。ということで、○。

3 法人格取得前の管理組合の滞納管理費等に係る債権は、法人格取得後も管理組合法人に帰属することはなく、管理組合法人と当該滞納者との間の債権債務関係にはならない。

区分所有法では、管理組合法人の設立前に管理組合で決めていたことに関しては、管理組合法人が設立したら「効力を生ずる」つまりそのまま管理組合法人が引き継ぐことにしますよ、としています。滞納については、管理組合法人が債権者となって滞納者との関係を引き継ぐことになります。なので、×。

4 管理組合法人の理事が職務の範囲内において第三者との間でした行為について当該法人の財産をもって債務を完済することができないときは、区分所有者は共用部分の持分の割合でその責めに任ずる。

これも、管理組合および管理組合法人は、その責任を構成する区分所有者が共用部分の持ち分に応じて負担する原則から、管理組合法人の資産で足りない部分は「責め」を負わなければなりません。なので、○。

正解

問2の正解は、3です。