マンション管理士試験(2015年過去問)問9は義務違反者に対する措置に関する区分所有法についての出題でした

 
今年のマンション管理士試験は、「平成28年11月27日(日)午後1時〜3時」で実施されます。
 
当サイトでは、2015年(平成27年)の試験で出題された問題を解説して、この国家資格の受験を少しでもサポートできればと考えました。
 
また、試験を受けるつもりはないという人にも、マンション管理に役立つ基本的な知識を身につけるいい機会となりますので、ご一読いただければと思っています。
 
では、本日の解説はこちら。
 
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この問題の分野と難易度

 
問9は、義務違反者に対する措置に関する区分所有法についての出題です。
 
難易度は、得点源レベルです。しっかりおさらいして、正答率を上げましょう。
 

問題文

 

〔問 9〕 区分所有法第6条第1項の区分所有者の共同の利益に反する行為を行っている者(以下「義務違反者」という。)に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

 
マンションは、複数の所有者が同居する、権利が錯綜する社会となっています。秩序が乱されれば、他の所有者の権利が侵害されてしまいます。そこで、区分所有法では、共同利益違反行為に対して、それを排除する競売請求訴訟を認めています。
 

選択肢と解説

 

1 専有部分で騒音や悪臭等を発生させる営業を行っている義務違反者に対しては、区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、区分所有法第59条による区分所有権及び敷地利用権の競売請求が認められる。

 
この文章のとおり、共同生活の維持を図ることが困難だと集会の決議をもって判断されれば、競売請求の訴訟が出来ます。なので、○。
 
2 区分所有者の管理費等の滞納によって、共用部分等の管理に要する費用が不足し管理が不十分になったり、他の区分所有者の立替えの必要が生じたりする場合は、当該区分所有者の滞納は、区分所有者の共同の利益に反する行為に該当する。

 
滞納によって管理組合の運営に支障が出るのはゆゆしき事態です。十分に共同利益違反行為に該当します。なので、○。
 
3 管理費等の滞納による義務違反者に対しては、区分所有法第 57条の差止請 求及び第 58条の専有部分の使用禁止の請求を行った上で、それでも功を奏さない場合でなければ、同法第 59条による区分所有権及び敷地利用権の競売請求は認められない。

 
義務違反者に対して競売請求を起こす前に、使用禁止の請求などの段階が必要であるとの定めはありません。なので、×。
 
4 管理費等を滞納している義務違反者に対して、管理費等の滞納の解消を図るため「管理者は、区分所有権及び敷地利用権の競売請求の訴えに関して、理事会の決議により、管理組合を代表して、原告となることができる。」旨規約に定めることはできない。

 
競売請求の訴訟の提起は、区分所有者の権利を第三者が処分できる可能性を持つ重大なものです。従って、規約で勝手に管理者が決められるように出来ないように定めています。なので、○。
 

正解

 
問9の正解は、3になります。