〔過去問復習〕管理業務主任者試験(2015年)の問6は民法と借地借家法についての出題でした

今年の管理業務主任者試験は、「平成28年12月4日(日)午後1時から3時」で実施されます。

当サイトでは、2015年(平成27年)の試験で出題された問題を解説して、この国家資格の受験を少しでもサポートできればと考えました。

また、試験を受けるつもりはないという人にも、マンション管理に役立つ基本的な知識を身につけるいい機会となりますので、ご一読いただければと思います。

では、本日の解説はこちら。

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この問題の分野と難易度

問6は、民法と借地借家法についての出題です。

難易度は、ちょっと難しそうです。

問題文

 

〔問 6〕 Aが所有するマンションの専有部分甲(以下、本問において「甲」という。)を賃借するBが、第三者であるCに、当該賃借権を譲渡又は甲を転貸した場合に関する次の記述のうち、民法、借地借家法(平成3年法律第90号)の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 

4択で、正しい記述の肢を選ぶ問題です。

 

選択肢と解説

 

1 Bが、Aの承諾を得てCに転貸した場合、Aは、Bに対する賃料額を限度にCから支払いを受けることができる。

BはAの承諾を得ているので、これは適法の転貸となります。その場合は、転借人であるCは、賃貸人であるAに対して、直接に義務を負うことになります。この義務には賃料の支払い義務も含まれますが、転借人が負う義務は賃料と転借料のうちの少ないほうとなります。なので、○。

2 Bが、Aの承諾を得てCに転貸した場合、AB間の賃貸借契約がBの債務不履行により解除されたときは、Aは、Cに催告をして弁済の機会を与えなければ、賃貸借の終了をCに対抗することができない。

AB間の賃貸借契約が債務不履行で解除された場合、転借人への催告や弁済の機会を与える必要は定められていません。なので、×。

3 Bが、Aの承諾を得ないでCに譲渡した場合、それがAに対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるときでも、Aは、Bとの間の賃貸借契約を解除することができる。

賃貸人の承諾のない転貸で、背信行為がなく、特段の事情があれば、賃貸借契約は解除できません。なので、×。

4 BからCへの譲渡に関して、Aに不利となるおそれがないにもかかわらず、Aが当該譲渡を承諾しないときは、裁判所は、Bの申立てにより、Aの承諾に代わる許可を与えることができる。

賃借権は、賃貸人が承諾しない場合に、裁判所への申し立てによって許可を与える旨の規定がありません。これがあるのは借地権の第三者への譲渡の場合です。なので、×。

正解

問6の正解は、1となります。