マンション管理士試験対策:過去問解説(平成26年度/問41)

 

8259799652_98084251d7_m madrugadas dentro. by Mariane L.

 

平成27年(2015年)のマンション管理士試験が平成27年11月29日(日)午後1時から3時の予定で実施されます。

 

この資格試験は過去問(過去の試験での出題)のチェックが有効な対策と言われています。

 

実際に私も過去問を中心に追い込み勉強をして、無事に合格することができました。

 

このブログでも今年受験を予定している人のため&自分の復習のために、平成26年の問題をチェックします。

 

(問題部分の画像はクリックで拡大できます)

q41

 

問41は、マンション外壁の断熱性能等で適切でない肢を選ぶ問題です。

 

1は、室内側の表面結露は防湿層で防ぐことができるかどうか。

表面結露とは、窓ガラス面や暖房していない部屋の壁といったほかより温度の低い場所に、暖かく湿った空気が移動することで、表面に水滴が現れる現象です。

表面結露の防止に効果的なのは、断熱構造化です。防湿層ではありません。

放湿層を設けることが有効なのは、内部結露に対してです。内部結露とは、防湿が不十分または断熱に隙間があるなどの理由で水蒸気が壁のなかに侵入して現れる現象だからです。

内部結露の防止には防湿のほかに湿気排出があります。防湿には、水蒸気が壁内や小屋裏、床下に入らないように、天井・壁・床内の室内側に防湿層を設けます。

したがって1は、「不適切」となります。

 

2は、断熱材の熱伝導率について。

熱伝導率とは、熱の移動のしやすさを示す値のことです。

断熱材の熱伝導率は、一般に、水分を含むと大きくなります。

したがって2は、「適切」となります。

 

3は、厚さと熱伝導率が同じなら、外断熱でも内断熱でも外壁の熱貫流率は等しくなるかどうか。

熱貫流率とは、壁などの熱の伝わりやすさを大きいか小さいかで表した値のことです。値が大きければ熱を通しやすく、小さければ熱を通しにくく保温性が高いことになります。

断熱材とは、建物のは外側を断熱材で覆った「外断熱」と、室内側に断熱材を張った「内断熱」があります。

外断熱は内断熱より薄い断熱材でま同じ効果を得られるのが一般的です。これは、内断熱が断熱材を貫通する柱などがあるために熱損失が大きかったりすることによります。

しかしこの肢では、断熱材の厚さと熱伝導率が同じであるという前提になっています。同じであれば、外断熱か内断熱かに関わらず、外壁の熱貫流率は等しくなります。

したがって3は、「適切」となります。

 

4は、壁面と接する空気のあいだの熱伝達はもっぱら対流と放射によるかどうか。

熱伝導は、空気から壁、壁から空気といった、気体と固体のあいだの熱移動のことをいいます。

よって熱伝導が起こる要因は、空気の対流とほかの物質からの放射の2つとなります。

対流による伝熱を対流熱伝達、放射による伝熱を放射熱伝達といいます。

したがって4は、「適切」となります。

 

問41の正解は、「肢1」となります。