平成26年度マンション管理士試験問題[問14]過去問解説
La notte prima degli esami.. by Stefano Montagner – The life around me
平成27年(2015年)のマンション管理士試験が平成27年11月29日(日)午後1時から3時の予定で実施されます。
この資格試験は過去問(過去の試験での出題)のチェックが有効な対策と言われています。
実際に私も過去問を中心に追い込み勉強をして、無事に合格することができました。
このブログでも今年受験を予定している人のため&自分の復習のために、平成26年の問題をチェックします。
(問題部分の画像はクリックで拡大できます)
問14は、マンション敷地内(立体駐車場)で運転ミスによる事故を起こした人に対して、マンション管理組合が修繕費を請求するという内容について正しい記述の肢を選ぶ問題です。
1は、事故を起こしたのが18歳で無免許の高校生だった場合、親には損害賠償の請求はできるが、本人にはできないかどうか。
民法では、未成年者が他人に損害を与えた場合、「自己の行為の責任を辯護するに足りる能力を備えていなかったときはその賠償の責任を負わない」と定めています。
この「責任能力」については、12歳を基準に考えるのが一般的とされていますので、18歳のこのケースには該当しません。
したがって1は「誤り」となります。
2は、事故車が運転手の勤め先の所有で、私用で乗っていた場合に、運転手には損害賠償の請求ができてもクルマの所有者である勤め先にはできないかどうか。
民法では、使用者は被用者が第三者に与えた損害を賠償する責任を負うと定めています。この場合、使用者が責任を負うのは「事業の執行について」行なわれた範囲に限られます。
職務の範囲であるかどうかは「行為の外形を基準(外形標準説)」に判断するとして外形(客観)的にはどうであったのかがポイントとなります。
このケースでは、私用かどうかは外形では判断できず、社用車であることが外形の判断材料となります。なので、職務の範囲内での事故と判断され、管理組合は事故を起こした運転手の会社に対しても損害賠償の請求ができることになります。
したがって2は「誤り」となります。
3は、事故の損害賠償請求の際して弁護士を雇った場合、その請求額に弁護士料も上乗せできるかどうか。
弁護士費用は「損害の範囲に含まれる」とされます。なので、請求額に含めることができます。
したがって3は「正しい」となります。
4は、損害賠償に併せて請求される損害遅延金の起算が、損害賠償をしたときからかどうか。
損害賠償の請求は法律によって発生する期限の定めのない債務とされます。この債務に対しては金銭債務の特則が適用され、年5分(5%)の遅延損害金を併せて請求することが認められています。
そしてその起算日は、「不法行為のとき」とされます。なので、遅延損害金の計算は、事故の翌日から計算することができます。なお、遅延損害金の請求には催告の必要がありません。
したがって4は「誤り」となります。
問14の正解は、「肢3」となります。