2022年10月16日から19日のウクライナ情勢【ニュース拾い読み】

突発的なニュースに飛びつくだけでは
とらえにくくなってきたロシアのウクライナ侵攻。

すこしスパンを伸ばして
ニュースを拾ってみたいと思います。

ウクライナ軍は、ロシアに支配された領土の奪還に向けて反転攻勢を強めています。南部ヘルソン州を支配する親ロシア派の幹部は「これからウクライナ側との戦いが本格化する」として住民に事実上の退避を呼びかけ、南部での戦闘がいっそう激しくなることが予想されます。ウクライナ南部のヘルソン州を支配する親ロシア派の幹部は15日SNSに投稿し「これからウクライナ側との戦いが本格化する」とした上で「子どもとその親に対しては、土地を離れる機会を与える」として、住民にロシアへの事実上の退避を呼びかけました。
ウクライナ政府は、南部ヘルソン州について13日までに、75の集落を解放したとしています。
またゼレンスキー大統領は14日の演説で「今後、南部のすべての都市にもウクライナの旗を取り戻し、クリミアを取り返し、領土の一体性を回復する」と述べ、南部での戦闘がいっそう激しくなることが予想されます。

ウクライナの親ロシア支配地域の幹部が
警告を発しているタイミングで、
ベラルーシ国防省の「ロシアから最初の部隊が
到着した」というアナウンスがありました。

ベラルーシのルカシェンコ大統領は、
ロシアとの合同部隊を編成することで
ロシア側と合意したと明らかにしました。

(CNN) ロシアの首都モスクワのソビャーニン市長は17日、部分的動員の終了を発表した。予備役招集のためのオフィスは現地時間午後2時に閉鎖される。オンラインで声明が発表された。
ソビャーニン氏は声明で、モスクワ軍事委員会の情報によれば、大統領令と国防省の割り当てに基づく部分的動員の業務は完了したと述べた。
居住地や企業に送付された招集令状は効力を失うとしている。ロシアのプーチン大統領は先月、部分的動員を発表していた。プーチン氏は演説で、ロシアの領土の一体性が脅かされると判断した場合には、核兵器の使用さえ含む、あらゆる手段を用いると述べていた。

17日になって、ロシアのモスクワ市長が
部分的動員の終了を発表というニュースが
流れてきました。

これにより、人的な戦力の投入から
別のフェーズに戦略を移すのでは
という憶測が流れています。

ウクライナの首都キーウで現地時間の17日朝、自爆型の無人機による攻撃がありました。キーウの市長は、被害を受けた建物からこれまでに18人が救出され、さらに救助活動を進めているとしています。
ウクライナの首都キーウで現地時間の17日朝、複数の爆発音があり、イエルマク大統領府長官は首都キーウが「ロシアによる自爆型の無人機による攻撃を受けた」と明らかにしました。

ロシアの招集終了のタイミングで、
自爆型無人機4機がウクライナの
キーウを攻撃したというニュース。
一般市民にも被害が出ているもようです。

ウクライナ軍は南部ヘルソン州で反転攻勢を強めていて、15日にも州北部で大規模な反撃を開始したという見方もあり、領土奪還に向け戦闘が激しくなっているものとみられます。
ウクライナ軍は、ロシアが一方的に併合したとする南部へルソン州では75の集落を奪還したと13日発表するなど、東部だけでなく南部でも反転攻勢を強めています。
へルソン州を支配する親ロシア派の幹部は15日、SNSで住民に対して事実上の退避を呼びかけ、戦闘が激しさを増しているものとみられます。

ウクライナで戦闘を続けるロシア軍の司令官は18日、ロシアが占拠してきた南部ヘルソン市が「困難」な状況にあるとし、住民を避難させると、ロシア国営テレビで述べた。
この司令官は、「アルマゲドン(最終戦争)将軍」の異名を持つセルゲイ・スロヴィキン将軍。最近、ウクライナでの戦争の作戦統括者に任命された。
同将軍は、ウクライナ軍が高機動ロケット砲システム「ハイマース」を使い、市内のインフラや住宅を攻撃していると主張。
「ロシア軍は何よりもまず、ヘルソン市民の安全な避難を確保する」と述べた。
また、「全体として、特別軍事作戦地帯の状況は緊迫していると言える」とした。ロシアはウクライナでの戦争を「特別軍事作戦」と呼び続けている。
スロヴィキン将軍が、大きな問題の存在を認めるのは珍しい。

記事でも「珍しい」と指摘されているスロヴィキン将軍は
強硬派として知られている人物なのだそうです。
その彼から戦況の悪化が漏れてくることが
状況を語っている、というのが論調になっています。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は18日、ロシアが一方的な併合に踏み切ったウクライナ東部と南部の4州について、ロシアの法律や経済、そして安全保障にこれらの地域を統合するための作業が進められていると説明しました。
そして記者団からこれらの地域にロシアの「核の傘」が適用されるのか、質問されたのに対し「これらはすべてロシアの不可分の地域だ。われわれの保護の元にあり、ロシアのほかの地域と同じレベルで安全が確保される」と述べました。

ロシア軍撤退=ウクライナ優勢、という
報道が目に付くようになっているのですが、
自軍を撤退=避難させるというのは
そのエリアに対してなんらかの作戦が
実施されることを意味しているのではないか
と心配されるべきなのではないかと思います。

ロシア南部で戦闘機が住宅地に墜落し、子どもを含む住民13人が死亡、19人がケガをしました。訓練飛行中に戦闘機のエンジン部分から出火したとみられています。
ロシア南部クラスノダール地方の都市、エイスクで17日、戦闘機が集合住宅の敷地に墜落し火災が起きました。
地元の当局によりますと9階建ての集合住宅が燃え、これまでに子どもを含む住民13人が死亡、19人がケガをしたということです。
ロシア国防省によりますと、墜落したのはスホイ34戦闘爆撃機で、脱出したパイロットの話などから訓練飛行中にエンジン部分から出火したとみられるということで、重大事件を扱う連邦捜査委員会が墜落の状況や原因を調べています。
現場は、ロシアが支配するウクライナ東部ドネツク州の要衝マリウポリとアゾフ海をはさんだ位置にある港湾都市です。
ロシア大統領府はプーチン大統領が関係閣僚に対して速やかに現地に入り被害者の支援にあたるよう指示したと発表し、ウクライナ侵攻を続けるなか起きた軍用機の住宅地への墜落を深刻に受け止めていることがうかがえます。

戦闘による被害の報道かと思ったのですが、
どうやら原因が不明の状態で墜落したようです。

ロシアのプーチン大統領は、一方的な併合に踏み切ったウクライナ東部と南部の4つの州を対象に戒厳令を導入しました。占領する4つの州を戦時体制に移行させることで、南部で反撃を強めるウクライナ軍に対し巻き返しを図りたい思惑があるとみられます。
ウクライナ軍は、ロシアが一方的に併合したとする南部ヘルソン州で反撃を続け、今後、ロシア側に占領された中心都市ヘルソンに向け部隊の進軍を行うとみられます。

「ロシアが一方的に併合」という表現は、
国際法上でこの独立が要件を満たして
いないことに拠っています。

それとは別に、情勢は動きつつあることを
示していると感じさせる報道です。

ウクライナ情勢については、
このように随時、数日単位での
まとめで俯瞰しながらウォッチング
していきたいと思っています。