問14|管理業務主任者試験過去問解説2016年版

今年の管理業務主任者試験は、「平成28年12月4日(日)午後1時から3時」で実施されます。

当サイトでは、2015年(平成27年)の試験で出題された問題を解説して、この国家資格の受験を少しでもサポートできればと考えました。

また、試験を受けるつもりはないという人にも、マンション管理に役立つ基本的な知識を身につけるいい機会となりますので、ご一読いただければと思います。

では、本日の解説はこちら。

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問14|問題の分野と難易度

問14は、仕訳についての管理組合の会計に関する出題です。

難易度は、得点源レベルです。

問14|問題文

 

〔問 14〕 管理組合における以下の取引に関して、平成27年3月分の仕訳として最も適切なものは次のうちどれか。ただし、この管理組合の会計年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとし、期中の取引において、企業会計原則に基づき厳格な発生主義によって経理しているものとする。
(取 引)
平成27年2月に、増圧直結給水ポンプ設置工事を工事業者Aに依頼し、同年3月末をもって工事が完了した。
なお、工事代金は4,000,000円であり、同年2月に代金の一部800,000円を普通預金から支払い、残額については、同年4月末日に振込により支払うことになっている。
また、同年4月に実施する予定の外壁塗装補修工事に関し、工事費用総額3,000,000円の一部1,000,000円を同年3月31日に工事業者Bに対し普通預金から支払った。

 

問14|選択肢と解説

(単位:円)

1
(借 方)             (貸 方)           
建物附属設備  4,000,000    未払金   4,000,000
前払金     1,000,000    普通預金  1,000,000

2
(借 方)             (貸 方)           
建物附属設備  4,000,000    前払金   800,000
修繕費     1,000,000    未払金   3,200,000
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□普通預金  1,000,000

3
(借 方)             (貸 方)           
建物附属設備  4,000,000    前払金   800,000
修繕費     3,000,000    未払金   3,200,000
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□普通預金  3,000,000

4
(借 方)             (貸 方)           
建物附属設備  4,000,000    前払金   800,000
前払金     1,000,000    未払金   3,200,000
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□普通預金  1,000,000

 

会計問題は、取引内容の順を追って仕訳していき、選択肢を絞り込んでいくのが解き方のコツです。

増圧直結給水ポンプの工事は会計年度内に終了しているので、そのまま借方の建物附属費に代金400万円を計上します。

工事代金の支払いについては。年度内の2月に80万円が前払いされ、残りは年度をまたいで4月に支払われることになっています。これにより、前払金の80万円と、残金を未払金として貸方にそれぞれ計上します。

この時点で、肢1と3は違うことが判明します。

次に、次年度の4月に実施する予定の外壁塗装補修工事について。ここで当期の会計に関係するのは、工事費の前払いとして100万円を支払ったことだけです。外壁塗装補修工事はまだ完了していないので。計上はしません。従って、資産(貸方)の普通預金の100万円を前払金として支払った(借方)という計上をします。

完了前なので「修繕費」名目ではなく、「前払金」として処理するところがポイントになります。

問14|正解

問14で正しい会計の仕訳をしているのは肢4となります。