管理業務主任者試験の消滅時効に関する民法についての出題はぜひとも得点源にしたいところでした

今年の管理業務主任者試験は、「平成28年12月4日(日)午後1時から3時」で実施されます。

当サイトでは、2015年(平成27年)の試験で出題された問題を解説して、この国家資格の受験を少しでもサポートできればと考えました。

また、試験を受けるつもりはないという人にも、マンション管理に役立つ基本的な知識を身につけるいい機会となりますので、ご一読いただければと思います。

では、本日の解説はこちら。

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問10の問題の分野と難易度

2015年の管理業務主任者試験の問10は、消滅時効に関する民法についての出題でした。

難易度は、得点源レベルです。頑張って正解率アップにつなげましょう。

問10の問題文

 

〔問 10〕 マンションの管理費の支払債務の消滅時効に関する次の記述のうち、民法 の規定によれば、正しいものはどれか。

正しい肢を選ぶ問題です。

問10の選択肢と解説

 

1 管理費の支払債務は、区分所有者が支払期の到来したことを知らなくても、その支払期が到来した時から時効が進行する。

債務の消滅時効は、権利を行使できるときからスタートします。つまり、知ったときではなく、時期が到来すれば時効は始まるわけです。なので、○。

2 マンションの区分所有者全員が、「管理費債務の消滅時効の主張はしない」旨の文書をあらかじめ管理組合に提出している場合、各区分所有者は時効を主張することができない。

時効が認められるのは、その権利が行使できるようになってからです。ということは、消滅時効の認めるのも放棄するのも、それが実際にスタートしてからでなければ認められないことを意味しています。ということは、時効の放棄は、あらかじめ決めておくことができないことになります。なので、×。

3 管理費の滞納者が死亡し、その相続人が当該区分所有権を承継した場合は、管理費債務の時効は、その承継により中断する。

時効の中断は、請求されるか、差押えや仮差押えまたは仮処分が行なわれるか、承認するかの、いずれか3つのうちがなければできません。相続人の所有権承継は時効中断の事由には該当しません。なので、×。

4 管理費の滞納者が、破産手続開始決定を受けた場合は、その決定により時効が中断する。

破産手続きの場合、債権者が債権の配当を申し出る届出をした時点で、時効は中断します。手続きの開示だけでは中断しません。なので、×。

問10の正解

問10の正解は、1となります。