管理業務主任者試験対策:過去問解説(平成26年度/問39)

 

2112831980_6cebc48635_m [no title] by LoneWolf87

 

平成27年(2015年)の管理業務主任者試験が平成27年12月6日(日)午後1時から3時の予定で実施されます。

 

この資格試験は過去問(過去の試験での出題)のチェックが有効な対策と言われています。

 

実際に私も過去問を中心に追い込み勉強をして、無事に合格することができました。

 

このブログでも今年受験を予定している人のため&自分の復習のために、平成26年の問題をチェックします。
(問題部分の画像はクリックで拡大できます)

q39

 

問39は、マンション管理に関する最高裁判例について、最も適切な肢を選ぶ問題です。

 

1は、排水管を区分所有者全員の共用部分と解釈できないのかどうか。

マンションで、排水管の枝管が床スラブを貫通して下の階の専有部分の天井裏を通って本管に接続しているような構造の場合、この枝管の修理はこの専有部分から行なうのはほぼ不可能となります。

こうした構造及び設置場所に照らし、この枝管は専有部分に属さない建物の付属物にあたり、かつ、区分所有者全員の共用部分にあたるという判決が出ています。

したがって1は、「不適切」となります。

2は、売買で設けた制限条項は、その特定承継人に対しても効力を発揮するのかどうか。

契約に制限条項を設ける際に、特定承継人に対しても拘束できるようにするには、すべて画一的に規約または集会の決議によってその内容を明記しておくことが求められます。

前所有者の権利制限の合意を安易に同一視することは許されません。

規約や集会の決議によらない制限条項は、区分所有者の特定承継人には効力を有しないという判決が出ています。

 

3は、バルコニーは共用部分なので規約で管理するが、規約違反の区分所有者に対して復旧すべき旨の請求はできないのかどうか。

バルコニーの改築を禁止する規約に反して改築した場合、建築協定に違反する行為となり、共同の利益を侵害する行為とされます。これに対して、該当の区分所有者は、改築部分を撤去して撤去し、原状に復旧すべき義務があるという判例が出ています。

したがって3は、「不適切」となります。

 

4は、「景観権」のような私法上の権利は、そのマンションの建設が地域の景観に影響を与える場合でも認められないのかどうか。

良好な景観が提供されている地域内では、良好な景観の価値とそれを侵害するものとの間に密接な利害関係があると判断されます。この良好な景観の恵沢を享受する利益を景観利益といい、法的に保護されるべきとされています。

一方で景観利益の内容は、景観の性質、態様等によってまちまちであり、社会の変化にも影響される可能性があるので、「私法上の権利」と断定できるような明確な実態があるとは言い難く、これをもって景観利益以上の「景観権」ほどの権利性を認めることはできないという判例が出ています。

したがって4は、「最も適切」となります。

 

問39の正解は、「肢4」となります。