13|マンション管理士試験過去問解説2016年版
今年のマンション管理士試験は、「平成28年11月27日(日)午後1時〜3時」で実施されます。
当サイトでは、2015年(平成27年)の試験で出題された問題を解説して、この国家資格の受験を少しでもサポートできればと考えました。
また、試験を受けるつもりはないという人にも、マンション管理に役立つ基本的な知識を身につけるいい機会となりますので、ご一読いただければと思っています。
では、本日の解説はこちら。
この問題の分野と難易度
問13は、無権代理と表見代理についての民法と判例に関する出題です。
難易度は、得点源レベルです。
問題文
〔問 13〕 Aは、Bから代理権を与えられていないにもかかわらず、Bの代理人として、Cとの間で、Bの所有する甲マンションの 401号室をCに売却する旨の売買契約を締結した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
選択肢と解説
1 表見代理の成立する要件が満たされている場合には、Cは、表見代理の主張をせずに、Aに対し、無権代理人としての責任を追及することができない。
表見代理を成立させる条件が満たされている場合は、代理を相手に契約した人は表見代理を主張をせずに、無権代理としてのその代理人に追及できます。これは、無権代理人が表見代理が成立したからといって自分がした代理行為の責任を負わずには済まされないという判決が出ているからです。なので、×。
2 Cが売買契約の時にAに代理権が存在しないことを知っていた場合には、Cは、Aに対し、無権代理人としての責任を追及することができない。
無権代理の責任を負わなくてもいいのは、代理権を有していないことを相手方が知っていたり、過失によって知らなかった場合です。なので、○。
3 売買契約の締結後にAが死亡し、BがAの地位を単独で相続した場合には、Bは、Aによる売買契約の締結について、追認を拒絶することができる。
無権代理は相続されます。その相続に関する追認をするかしないかは、相続人の自由です。なので、○。
4 売買契約の締結後にBが死亡し、AがBの地位を単独で相続した場合には、Aは、Cからの 401号室の所有権移転登記及び引渡しの請求を拒むことができない。
無権代理は相続でき、追認すればその同様の法律上の地位が生じることになります。なので、○。
正解
問13の正解は、1となります。