管理組合監事が帳簿に疑問を感じたときの対応 #マンション管理
マンション管理業協会のホームページに掲載されている、弁護士の篠原みち子先生のQ&Aコーナーの2つめです。
質問では、管理組合の監事に任命されて、帳簿を見せてもらったのだけれど、一般の会社の帳簿とは違うので、その内容についてわからない部分があるというもの。
弁護士 篠原みち子先生のマンション管理お役立ちコーナー|一般社団法人 マンション管理業協会
このコーナーでは、マンション管理についてよくある疑問やトラブルなどについて、マンション管理問題のエキスパート 弁護士 篠原みち子先生がわかり易く解説します。 …
これに対して篠原先生は、以下のように回答されています。
監事は、理事会が行う業務やその成果物が、予め定められた会計上のルール等に則っているどうかを、客観的な第三者として監査対象に応じて検証し、是正すべき点があれば、それを理事会に対してそれを指摘することが役割です。
そのため、疑問点があればまずは執行する理事会に対して事実関係を確認すべきでしょう。
私も複数の管理組合の監事を拝命しています。
違う管理会社の総会資料を比較するとすぐにわかると思いますが、この業界では統一のフォーマットがありません。
科目についても任意で、そのために処理の仕方が会計経験者でもよくわからないことがあるようです。
さらに、管理組合会計は「発生主義」をとっていて、通常の企業が「現金主義」であるのと異なることも混乱の原因になるようです。
管理組合会計の「発生主義」は、マンション管理士試験の重点項目でもあるので、マンション管理士ならこの違いはわかっているはずです。
実際の監事の業務は、管理会社から送られてきた1年分の勘定伝票と領収書や預金通帳の金額が同じかどうかをチェックしていくものが主になります。
物件の規模にもよるかと思いますが、50〜100戸の規模では半日から2日に分けて、というスケジュールが必要となるでしょう。
休日返上になることは覚悟しなければなりませんね。
もっとも、帳簿をみると、管理会社がちゃんと手順を踏んでお金を処理しているかは一目瞭然になりますし、管理組合の非効率な部分なども見えてくることがありますので、機会があれば監事を引き受けてみてはいかがでしょうか。