マンション管理員の職場放棄という問題について
先日は、マンション管理員の育成に管理会社が熱心ではないという話題を取り上げました。
マンション管理会社にとって最前線の管理員の育成に熱が入らない理由とは?|マンションの管理と不動産を考える
育つ育たない以前に、マンション管理員がいなくなってしまう事態が頻発しているというニュースがありました。
記事で紹介しているのは、20年以上も勤めていた管理員さんがある日いなくなってしまったという築40年のマンションの事例です。
住民からの信頼も厚く、会社を定年退職した後も管理組合と直接契約をしていたというほど、管理組合にとってはなくてはならない存在だったことが伺える状況。
それだけに、突然やめると言われてしまった管理組合のほうは大慌てだったようです。
この事例のポイントは、管理会社からの派遣から直接契約に変えてしまったところにあると言えるでしょう
良い人材を囲い込むためには、このような直接契約も有効な手段となりますが、「次をどうするか」を考えていなかったことは、手落ちだと言わざるを得ません。
冷静に考えるまでもなく、定年で退職した人をあと何年雇っていられるのかということは想定しておくべきだったでしょう。
この事例の場合20年も継続して勤めてもらえたことは幸運だったというべきなのです。
自力で何とかしようと沸騰している経緯が書かれていますが、この点に関しては管理会社とうまく業務の委託関係を構築し直すべきなのではなかったのでしょうか。
住み込みで100%の依存を考えるのではなく、やってもらわなければ困ることを優先順位をつけて、管理組合の予算内でどれだけ解決できるかという落としどころを探るのが現実的ではないでしょうか。
この記事では、管理員と管理人を混同していると思われる部分があるので、その辺の理解も管理組合の中で共有していくことが必要かもしれません。