02|管理業務主任者試験過去問解説2016年版

今年の管理業務主任者試験は、「平成28年12月4日(日)午後1時〜3時」で実施されます。

当サイトでは、2015年(平成27年)の試験で出題された問題を解説して、この国家資格の受験を少しでもサポートできればと考えました。

また、試験を受けるつもりはないという人にも、マンション管理に役立つ基本的な知識を身につけるいい機会となりますので、ご一読いただければと思います。

では、本日の解説はこちら。

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この問題の分野と難易度

問2は、民法と区分所有法の先取特権に関する出題です。

難易度は、ちょっと難しそうです。

問題文

 

〔問 2〕 区分所有者A(以下、本問において「A」という。)が、マンションの管理組合法人B(以下、本問において「B」という。)に対して管理費等を滞納している場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

 

選択肢と解説

 

1 Bは、Aに対する管理費等債権について、Aの区分所有権及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有するが、その回収に当たっては、まず建物に備え付けた動産から弁済を受けなければならない。

管理組合法人の先取特権に関する制限の問題です。先取特権とは、債権について債務者の所有権及び付帯する動産に関して優先して弁済を受けることができるとする権利です。管理組合法人については、規約または集会の決議に基づいてこれを行なうことができつす。回収の対象となるのは、区分所有権及び建物に備え付けた動産です。ただし、この優先順位は、まず不動産以外の財産からで、手っ取り早いからといって区分所有権を先に処分して弁済することはできません。なので、○。

2 AがCから借りて一時的に建物に備え付けていた動産について、BがCのものと知らず、かつ知らないことに過失がなかったときは、Bは当該動産の上に先取特権を取得する。

回収の対象としようとした動産が、てっきり債務者のものだと思ったのに、第三者から借りたものだった場合はどうするのか。間違ってそうだと思っていて、それについて過失がないときには、つまりそう思うのは仕方がないと判断される状況であれば、その先取特権は有効です。なので、○。

3 Aが自ら建物に備え付けた動産をDに譲渡し、Dがその引渡しを受けた場合、Bは、その動産については、先取特権を行使することはできない。

債務者が動産を第三者に譲渡した場合の先取特権の考え方です。これは、譲渡された側を守るため、先取特権は行使できなくなります。なので、○。

4 Aの区分所有権に、Eからの借入れのために抵当権が設定され、すでに登記も具備されていた場合でも、Bは、先取特権の登記がなくても、Eに優先して弁済を受けることができる。

先取特権は、登記の必要なく行使できる権利です。しかし、同じ動産に対する債務者が登記をしている場合、これに優先して権利を行使できません。なので、×。

正解

問2の正解は、4です。