マンション管理規約見直しのタイミングとポイント

「マンション管理センター通信」2014年2月号の「管理規約の適正化を考える〜見直しのタイミングと改正の進め方〜」という記事。

 

4916809995_5a84da5c49_m photo by ClaraDon

 

筆者は……

 

湯川・佐原法律事務所の弁護士、佐原専二氏。

 

前段で、規約が不適切であるとして裁判で争われた例をあげています。

規約は万能ではないので注意したいところです。

 

とくに問題になるのが、関連法令が改正されたときの古いままの条文など。

 

区分所有法に「規約で別段の定めができる」との明文規定がない場合、原則として、その区分所有法の条文は強行規定であり、規約によって、この条文と異なる定めをしても効力を生じません。

そこで、区分所有法等の関連法令が改正され、その結果、規約がこのような強行規定に違反する状況になったときは、規約を見直す必要があります。

 

これに準ずるものとして、標準管理規約が改正されたときがあります。効力を生じないとまではいきませんが、現状に合わせた見直しを考えるタイミングと言えます。

 

後段に、改正に伴い承諾を得なければならない場合を指摘しています。

 

「特別の影響」を受ける場合とは、規約の設定、変更、廃止の必要性および合理性とこれによって一部の区分所有者が受ける不利益とを比較衡量し、当該区分所有関係の実態に照らして、その不利益が区分所有者の受忍すべき限度を超えると認められる場合をいうものとされています。

 

その例として……

 

駐車場や物置などの専用使用圏をもつ区分所有者がいる場合、その専用使用権を消滅させることは特別の影響を及ぼすものとなります。しかし、有償化ないし使用料の増額については、有償化、増額の必要性および合理性が認められ、かつ、増額された使用量が区分所有関係において社会通念上相当な額であると認められるかぎりにおいて、特別の影響を及ぼすものではないとされます。

 

つまり、使用料の値上げは常識の範囲(周辺賃料などと比較)であれば該当者の承諾は必要ではないが、使用権自体を変更(消滅など)するときは承諾をとらなければいけませんよ、ということです。おそらく、承諾しないことが多いとは思いますが。

 

規約の変更は、総会招集時に「会議の目的たる事項(議題)」のほか、「議案の要領」も通知しなければなりません。

 

そして、総会では区分所有者および議決権の各4分の3以上の賛成が必要となる特別決議です。