reading memo『文系ビジネスマンでもわかる数字力の教科書』

数字に強いとか弱いというのは、いったいなにを基準にしているのでしょうか?

足し算引き算も覚束なくなるというのは論外ですが、2桁の掛け算が出来れば強いのかといえば、そうでもなさそうです。

要するに、その数字が意味しているところをちゃんと読み取れるかどうか、という部分が強いとか弱いということに関係していそうです。

ダメ社会人としての烙印を押されないための“気づきの書”
『数学力の教科書』[reading memo]

まず、“文系ビジネスマンでもわかる”という副題に食指が動いてしまったことを白状しましょう。

“文系”と“数学”という対立図式は、多くの人にとってトラウマであり、強迫観念ですらあるでしょうが、見事に術中にはまってしまったわけです。

そしてまた、“文系ビジネスマン”というカテゴライズには、特別のビジネス・スキルをもたない、いわゆるツブシのきかない“ダメ社会人”のイメージがあるので、客観的に全ビジネスマンの半数以上を占めるであろう“文系”出身者に「自分のことか?」と思わせた一瞬後に、「いや、自分は“ダメ社会人”ではないぞ、ない、うーん、なりたくない」とデクレシェンドしていく気持ちの変化に上手くつけ込む絶妙なタイトルですね(笑)。

●まとめ
著者は国税調査官を経て経営コンサルタントになったという経歴の人物。
本書は、そうした“数字のプロ”が、数字という客観的で説得力のあるコミュニケーションツールを使いこなして、社会人としての能力をアップさせるためのキッカケを与えてくれる“気づきの書”と言えるでしょう。