管理組合役員の成り手不足解消に効果があるのは協力金か報酬か?[ChatAET]

ますます管理組合役員の成り手不足が深刻になっていることを体感しています。

マンション管理組合の役員については、「興味がない」「やりたくない」「時間がない」という否定派、「しょうがないならやってもいい」という渋々派が大半で、「やらなきゃ」とか「やらないとダメだよね」という積極派はごく少数というのが現実でしょう。

根本的な解決策とは言えませんが、インセンティブについて考えてみました。

役員のインセンティブには、役員を辞退する際に支払う「協力金」と、役員を引き受けた際に支払われる「報酬」があります。

また、インセンティブとは別に、公平性を保つために、輪番制という方法もあります。輪番制と役員報酬や協力金の制度を組み合わせる場合もあります。

協力金と役員報酬は、役員報酬の支出が協力金の収入で相殺できる可能性があるために、併用したいところですが、現実的には難しいかもしれません。

というのも、協力金は実質的な管理費の値上げと受け取られるため、導入議案が否決される可能性が高いからです。

さらに問題は、お金を払えば管理組合を無視できることから、マンションの管理について無関心な人を増やしてしまう点。

個人的には、管理組合のために時間を費やすわけですから、最低時給とはいかないまでも、有償ボランティアと呼べるような対価は必要だと思っています。

ただ、我々マンション管理士は報酬を請求できるとされていますが、管理組合の役員を打診される一般の所有者が報酬を請求できるわけでもありません。

報酬についても、総会議案とするために組合員のコンセンサスを得られる額を割り出さなければならないという難問が待ち受けています。

結局は小学生のお駄賃程度になることも多く、そうなるとますます管理組合役員の成り手不足は加速するという負のスパイラルから抜け出せなくなってしまいます。

自治会やPTAの事例は管理組合の運営にも準用できそうなカテゴリーだと感じているので、このブログでもそうした事例を取り上げて、管理組合の難問解決の糸口を見つけていきたいと思います。