国交省、マンション管理業者へ立入検査 44%に是正指導 #マンション管理

住宅新報Webで、国交省のマンション管理業者への立入検査の結果が記事になっていました。

任意抽出で選ばれたのが全国154社のマンション管理業を営む管理業者。つまり、国交省が認可している「ちゃんとした」管理業者であるはずですね。

そのうちなんと、68社がなんらかの違反をしていて、是正の指導を行なったとのこと。半分はなにかしら違反行為を行なっているというのは、ちょっとビックリですね。

「2012年度末時点のマンション管理業者の登録数は2252件」ということですから、単純計算で全国の登録マンション管理業者のうち995社は違反している可能性が濃厚ということです。

国交省、マンション管理業者へ立入検査 44%に是正指導|住宅新報Web

是正指導を行った内容は、「管理業務主任者の設置」(1社、以下重複あり)、「重要事項の説明など」(54社)、「契約成立時の書面交付」(39社)、「財産の分別管理」(22社)、「管理事務の報告」(20社)。

違反内容を見てみると、

「管理業務主任者の設置」は6戸以上の物件を管理する場合に30組合に1人の成人である専任の管理業務主任者を設置しなければならないという、マンション管理適正化法56条1項のことでしょう。

管理会社は人の入れ替わりが激しいと聞きますので、この条件を満たせない時期が出てしまうのかもしれません。

管理組合側にとっては、責任をもって管理業務に当たってくれるフロントマンがいない状態や、手薄な状態になるわけですから、問題は小さくないでしょう。

人材が集まらないという事態であれば、会社自体に問題があるということも考えられます。

「重要事項の説明など」は、おそらく管理業務主任者証の提示義務違反や重要事項説明書を配布しないといったことではないかと推測します。持っていて忘れただけ、というのでも困るのですが、責任をもって管理業務に当たるという心構えを態度で示すための法令による規制ですので、それを守れないということは管理業務自体にも信頼性が失われることになりかねません。

「契約成立時の書面交付」は、ちゃんと契約書を交わさないという昔ながらの商習慣を引きずっている管理会社を戒めるとともに、管理組合側も理事長が「面倒だからいいよ」と契約書を交わさないということもあるようです。国交省の調査で契約書が発行されていないことが明るみに出てしまうのでしょう。管理業務は大事な資産の管理を委託する行為です。管理組合は区分所有者全員を代理する責任があるわけですから、きちんと契約書を交わして、法的な対抗力を備えた状態にしておかなければなりません。

「財産の分別管理」「管理事務の報告」なども契約書と同様に、面倒がらずに交付を受けて、内容の説明を受けておけば、のちのちのトラブルのリスクをだいぶ軽減できるのではないかと考えています。

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