被災時のトイレは「流しちゃダメ!」【ニュース・ピックアップ】

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大地震への備えだけでなく、近年では頻繁に豪雨災害に見舞われるなど、日本ではどこに住んでいても防災の意識を高めることがリテラシーのひとつに加わった感が強くなっていますね。

震災の避難所でトイレが「たいへんなこと」になっていたのは、しばらく経ってからの当時の振り返りの特集企画などで知ったという人も多いかと思います。

また、近年ではゲリラ豪雨のような天気の急変で浸水被害に遭って、タワーマンションの給電設備がストップ、生活インフラに壊滅的な打撃を与えたことも報道されていました。

上水がストップするのもかなり困りものですが、それ以上に深刻なのが、下水。

いやいや、下水は各家庭で流すだけだから、停電していても問題ないでしょう? と思うのは大間違いだったのです。

この記事では、まず1995年の阪神淡路大震災で避難所のトイレがあふれかえってしまったこと、2016年の熊本大地震でも同様の問題が発生したことを指摘。

2019年の台風19号による浸水で都内のタワーマンションの給電設備が被害に遭って、電化されていたトイレが使えなくなったという事例も紹介しています。

記事では、NPO法人日本トイレ研究所の代表理事、加藤篤氏に取材、「災害時のトイレ問題と、そのとき私たちが備えるべきこと」をまとめています。

現代のトイレは昔のボットン式と違って、各戸に配管されている水道水を便器に流して洗浄、下水管を使って下水道に流すという「システム」を構築することで、排出側のその一連の問題を処理しています。

まず、上水は各戸に給水する際にポンプを使用していれば、災害によって給電がストップすれば給水もストップします(直結管などポンプを使っていない場合はこのかぎりではありません)。

また、上水に問題がなくても、排水が心配です。

いやいや、流すだけだから、大丈夫でしょう? ウチはトイレ流し用にお風呂の水を抜かずに溜めていますよ、という家庭もあるかもしれません。

ところが、ここが落とし穴だというのです。

特に地震の場合ですが、配水管に亀裂や破損があると、流された汚物で建物内が汚染される可能性が出てきます。

マンションなどでは、ほかの家の人にとんでもない迷惑をかけることにもなりかねません。

では、これを防ぐにはどうすればいいか。

配管の点検は、被災時にはなかなかちゃんとできないかもしれません。

地震発生から3時間以内にトイレへ行きたくなった人が4割もいるという調査結果もあります(熊本大地震時)。まだ余震が続くなかで、身の安全だけでなく施設の安全も確認して行動するのはかなり負担が大きいはず。

そこで役に立つのが、携帯トイレ。

これを各家庭に備えておけば、トイレ設備の確認を後回しにして用便を済ませることができますね。

便も固めて管理することができるので、衛生的かつ不快な思いを軽減してくれるはずです。

携帯トイレを用意する目安は、1人あたり1日5回を基準にして最低3日分、できれば7日分だと安心ということです。それから、トイレットペーパーも必需品ですので、ストックしておきたいですね。

名古屋大学エコトピア科学研究所の調査によれば、51%の被災自治体の避難所で、仮設トイレが行き渡るまでに1週間ほどかかっているということです。

トイレが不快だったり、行きたくないと心配してしまうと、水分不足で別の健康被害が発生するリスクも高まります。

防災用品というと飲料水と食料を真っ先に思い浮かべる人も多いかもしれませんが、ここに必需品として携帯トイレを入れておくことが、かなり重要だと思った記事でした。


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