マンション自治会がデジタル化に大転換した実例の背景と効果について
マンションの自治会が、あるきっかけで180度ともいえる運営方法の大転換を成し遂げてしまったという話題がネットにあがっていました。
元ネタになっているのは、
マンションの自治会長が「会報はスマホで共有・投票はオンライン・zoomで役員会・無意味なイベント廃止」を打ち出した話
というツイート。
このマンションの自治会では、自治会長の選出について、くじ引きが用いられるようになっていたようです。
輪番やくじ引きといった方法は、みんながやりたがらない自治会の責任者やゴミ置き場の管理者などに用いられるようになっているみたいですね。
まあ、ゴミ置き場の管理や道路・側溝の掃除などは順番にやりましょうという方法が昔から採られていたのかもしれませんが、責任者をやりたがらないというのは、PTA会長などでも顕著に観られる現象ではないでしょうか。
くじ引きで決まった自治会長が発した改革案
このソースの自治会長は、自分が運営方法を決めていいのなら、こうしますとばかりに、次のような改革案を発表しました。
1.紙の会報をネットに変更して共有できるようにする。
2.総会の投票をオンラインにする。
3.役員会をZoomにする。
4.イベントを撤廃する。
これに対して、このソースをアップした人は、「サボりたい有能の手本」と評していますが(ニュアンス的には賞賛)、旧弊の改革とデジタル化の見本みたいな内容だと思います。
で、実際には、こういうことを言い出しても、ロートルが自分を棚に上げて「できる人ばかりではない」とか「みんなが楽しみにしている」と抵抗勢力になって、その意見を尊重するという流れで実行が滞る、というパターンが多いのかと思っていました。
でも、この組織ではスムーズに納得されたようですね。
背景
その背景として、役員の7割がオンラインに対して経験があり、抵抗されなかったこと、住民の平均年齢が低かったことなどが指摘されています。スマホが使えなかった世帯が4戸だけだったというのも、かなりラッキーでしたね。
その程度だと、自治会運営という名目でタブレットを貸与してもいいかもしれませんし、集会室でモニターを設置してリアル参加でもそれほど負担にはならないでしょうし。
まとめ
こうした強権を発動する会長は、反発を受けてひきずりおろされるのでは、という心配に対しては、誰もやりたくないからくじ引きになっているわけで、「文句があるならアンタがやれよ」という反論でイッパツ撃沈だそうです。
この意見に対しては、リタイア組の暇なオジサンが持論を振りかざして元に戻すのではないかとも思ったりするのですが、確かに旧態へ戻してもそれに協力的な周囲は少数であるわけで、多数決であれば問題は生じにくいのかとも思いますね。
それにしても、5年ぐらい前に私がこうした提案をしても、その環境が整っていなかったり(メールと電話だけでは無理でした)、賛同者もいなかったのに、隔世の感があります(笑)。
集まるのが目的になってしまっていることをちゃんと理解して、「バーチャルであっても集まれれば、決めるべきことを効率的に、しかも各自の負担を減らして決めて、組織を運営できる」というモデルになることが示されていることは、喜ばしいと感じます。
もちろん、こうなることが善ではなく、この方法論での欠点をしっかり把握しながら、より良い方法を模索していくことも必要ですね。