豊島区マンション管理推進条例(素案)について

豊島区のホームページを見ると、マンション管理推進条例についてのパブリックコメントが公開されていました。

以下、興味深いところをピックアップしてみました。

<意見>
タウンハウス型や管理事務室・掲示板等がないマンションもあり、義務化して強制することには違和感がある。
<区の考え方>
ご指摘のようなマンションでは、緊急時の連絡先や管理組合への連絡手段が外部からわかりにくい状況のため、連絡先の明確化が必要と考えております。

<意見>
町会へは、各居住者が加入する場合も管理組合が一括して加入する場合も、その会費の支払いは任意に行われるものであり、それを強制する法律上の根拠はないとされており、また、町会加入対象者は区分所有者に限らないので、管理費等から町会費を支出することは適当とは言えないとされた判例がある。判例や国土交通省見解との齟齬がないように設定すべきと考える。
<区の考え方>
本条例は、町会など地域との接点を持たないマンションに対し、加入の協議を地域との接点のきっかけづくりとして規定したものであり、町会加入及び会費の支払いを強制するものではなく、また、管理費等から町会費を支出することを求めるものではありません。
 しかし、「加入」に強制のイメージが生じていることから、第26条第2項を「加入等」と修正し、加入以外の協議内容を含めた方向性で今後検討を進めてまいります。

<意見>
 罰則としてのマンション名・管理組合名の公表は、善良なる管理状態を判断した上での慎重な運用をお願いする。
<区の考え方>
罰則は、指導、要請、勧告してもなお応じない場合の最終手段として適用する考えです。マンション名の公表による資産価値の低下及び社会への影響の大きさを考え、運用にあたっては慎重に行ってまいります。

条例案で管理組合と地域の結びつきを強めるために町会等との連携を例としてあげていたため、強制加入があるのではという心配をした複数の意見が寄せられていたようです。

本音では、行政で管理ができるようにするために町会を行政単位に組み込む法制化を目論んでいるような下心が見えないでもありませんが、区分所有法を根拠とする「町会費は管理組合の管理費から払っちゃダメ」という判例があるので、さりげなく触れないようにしているみたいですね。

このほかに、暴対法との関連も「警察署や関係機関と対応を検討してまいります」という回答で、あまり考えていなかった節があります。

私が関わった例でも、この点に触れるものがあったので、名簿の整備がトラブルの解決の一助になれば、とても役に立つ条例だと評価できると思います。