民泊(airbnb)代行業による管理組合とのトラブルについて
民泊に関するトラブルが一気に増大するであろう根拠として、代行業者の存在を指摘することができます。ちょっとネット検索しただけでもズラズラと出てくるぐらい、すでにビジネスとしての基盤は整っているものと考えたほうがよさそうです。
代行業者の存在を知ったのは、あるメルマガから。その人は最近airbnbを手がけるようになりましたが、その一長一短をレポートしていました。
airbnb代行の概要
airbnb代行の概要をつかむために、メルマガを参考にしてそのポイントを抜き出してみましょう。
- 代行の対象となるサービスエリアがある。対象エリアでなければ契約できず、メインエリアでなければ最低保証金に準ずるものを毎月徴収される。
- 担当者に当たり外れがある。アルバイトの意識レベルの人もいる
- 代行業者は実際に依頼してみないとわからない部分も多い。
- 途中解約で違約金が発生する(10〜20万円)。
- ネットでの上位表示についてはブラックボックスで、実施しているのかを確かめられない(というかやっていない可能性が高い)。
- 実施者の感想では、「自分でぜんぶやったほうがいいような気がする」とのこと。
ビジネスは「やってみなければわからない」ことも多いのが事実。ニュースなどで“副収入”といったお気楽な報道がなされている風潮も見えますが、体験者のようすを見るとなかなか簡単ではなさそうです。
airbnb代行までの流れは大筋で以下のようになります。
airbnbのアカウントを取得する
代行業者は民泊運営を代行するのではなく、airbnbとの連携を代行するという認識でいたほうがよさそうです。
airbnbのための物件を探す
この点がどうなっているのか調べたかった部分。ネットで紹介しているairbnb代行のガイドでは、賃貸人が携わることを前提に説明しているようです。
なお、代行可能な物件の条件として挙げられているのは次の3点。
- オーナーがairbnbを行なうことに対しての許可あり
- 駅近
- 1K
airbnb用に部屋を整備する
airbnbの主な顧客はカップルということなので、カップル向けのリフォームが推奨されています。
airbnbサイトへの部屋の登録
部屋の写真などとともにairbnbへ物件を登録して、予約者を待つことになります。
airbnbの疑問点
これを調べているなかで浮んできた主な疑問点は次のとおり。
- リスクは賃貸>airbnbなのか?
- だとしたらオーナーを対象としないのはなぜか?
- だとしたらオーナーが許可する理由は?
管理組合の視点で不安な点は、責任の所在が曖昧なところでしょう。
疑問として挙げましたが、賃借人に対してオーナーがairbnb運営の許可を(自分の責任で)与えることは考えにくく、賃借人が勝手に借りている部屋をairbnbに登録するのが横行することは十分に考えられます。その場合、賃借人は当然、その物件に居住していないので、トラブルがあっても連絡が取れなかったり無視されたりするでしょう。
この点がクリアされていないのに、代行業者のホームページでは物件の斡旋までしているので、「さきにやったもん勝ち」の様相を呈しているのが現状です。
代行業者にトラブルの対応を期待するのは、法整備が整うまで待つしかないと考えたほうがよさそうです。
ということで、airbnb代行業の流れを見ながら民泊の問題点について考えてみましたが、政府の民泊推進には賃借人による代行業を使っての運用までを想定していないようでもあるので、このあたりもきちんと視野に入れながら、法整備していただきたいですね。
そうでなければ、駆け込み寺よろしく、関係のない管理組合理事長と管理会社担当者の仕事がムダに増えるだけなのですから。。。