マンションの管理にはコンサルティングよりもコーディネートという視点が重要になってくるかもしれない

「マンション管理のお医者さんが診断「マンションの管理費は高すぎる!」」という記事。

 

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気になる記事へのリンクはこちらから……

 

マンション管理のお医者さんが診断「マンションの管理費は高すぎる!」 | 海外投資新聞|世界に挑む個人投資家のための総合サイト|アブラハム・グループ

 

 

 



インタビューを受けているのは株式会社シーアイピー代表取締役社長の須藤圭一氏。

 

主にマンション管理組合のコンサルティング事業を行っています。マンション管理会社ではなく、管理組合側に立ったコンサルタントです。私どもは常に管理組合の側に立ち、管理組合の為に有利な提案を行うことを通して、管理組合が管理会社の言いなりではない正しい姿になるべく業務を行っています。

 

管理組合のコンサルティングを業務としている会社ですね。

 

マンションの管理組合は素人の集団です。一方、管理会社はマンション管理のプロであり、管理組合とは利益相反の関係にありますから、そこにはいろいろな問題が起きて当たり前なのです。

 

この指摘は正しいと思います。そして管理組合側がビジネス的にも素人であるため、利益相反であるという関係性をちゃんと飲み込めていないところでのトラブルも多いと感じています。

 

雑巾やモップ、ほうき、塵取りなどの清掃道具は、価格ドットコムの2倍の価格で買っているなど、そんな話はざらです。

 

そうなんです、素人だから、そのぐらいしか指摘できないんですよね。だけど、なんだか管理会社の言いなりになっているのが嫌なので、文句を言いたい、そんな役員も多いというのが実情です。

 

――そういう問題のある管理会社は、管理会社全体の何割くらいですか?

ほぼ全部といっても過言ではありません。管理会社は管理組合とは利益相反の立場ですから、いかに高くサービスを売るかに終始するも仕方がありません。なので最初から工事費を7000万円でもっていく社員は、会社からすればダメな社員なわけで、なるべく利益を最大化してくれるのが優秀な社員となります。管理組合の人たちは素人ですから、そこをうまく見せるようにコントロールしながら、できるだけ高い価格で売りつけるという構造です。管理会社も企業ですから、利益が出るようにするのは当然です。

 

だから必要なのが、管理組合を正しく導く「コンサルタント」の存在だ、という論法ですね。もちろんこれは、マンション管理士にも当てはまるわけですが、実際に素人である管理組合側がプロを活用するに際しても困難が付きまとうことを忘れてはいけないでしょう。

 

須藤氏は、サポート側の報酬体系が管理組合側の利益に比例しないことが、サポート側を管理組合ではなく供給側に立たせる原因になっていると指摘。

つまり、「管理会社の言いなり」の手助けをすることになるというわけですね。

 

それは一理あるかもしれませんね。

 

しかし、報酬体系を管理組合側の利益に比例させる点に言及していないので、どのように管理組合側の立場に立った提案ができているのかが不明。その点は問い合わせてくれというんでしょうか?

 

管理会社=悪という図式での営業はこれまでもありますが、少し踏み込んで管理会社と管理組合の協業をどうサポートするのかという視点でのアドバイスが求められる時代になっているのではないかと思います。

 

須藤氏も指摘しているように、「管理組合を対象として事業を行っている方々には、管理会社・修繕工事会社・設計事務所そしてマンション管理士など多岐に渡って数多く」いることを踏まえると、こうした人材を活用するには排他的に優位性を主張するのではなく、コーディネートという視点が必要になってくるのではないかと思います。

 

その点でこのインタビューは多くのヒントを与えてくれたと思います。