平成26年度マンション管理士試験問題[問2]解説

 

7209095226_2b24630fd2_m La notte prima degli esami.. by Stefano Montagner – The life around me

 

平成27年(2015年)のマンション管理士試験が平成27年11月29日(日)午後1時から3時の予定で実施されます。

 

この資格試験は過去問(過去の試験での出題)のチェックが有効な対策と言われています。

 

実際に私も過去問を中心に追い込み勉強をして、無事に合格することができました。

 

このブログでも今年受験を予定している人のため&自分の復習のために、平成26年の問題をチェックします。

 

(問題部分の画像はクリックで拡大できます)

 

q02

 

問2は不動産登記法の敷地利用権について、誤った肢を選ぶ問題です。

敷地利用権は、専有部分を所有するためにその専有部分を含む建物が建てられている敷地に関する権利のことです。

この敷地利用権には、所有権、地上権、賃借権が該当します。また、使用貸借契約に基づいた使用借権も含まれます。

この出題では、あらかじめマンションの専有部分をAとBが共有しているという前提になっています。

 

1は、共有者のAが第三者に賃借権を設定して、その賃借権がAとBに譲渡され、1/2の共有となったというややこしい設問です。

なぜややこしく感じるのかといえば、借地借家法においては自己借地権の設定が認められていないからです。ここで「誤り?」と迷わせるのが、この肢の目的でしょう。

自己借地権の設定は、ほかの所有者が存在する準共有となるときにかぎって、設定できる例外があります。ここでBが登場しているため、Aの自己借地権の設定を可能にしているというわけです。

これによって、AとBは賃借権を準共有していることになり、その持分に応じて敷地利用権となります。

したがって、1は「正しい」となります。

 

 

2は、地上権と地上利用権の関係について。AがBのために地上権を設定してBが土地使用を容認すると、この土地の地上権はAとBの準共有になります。

すると、地上権の準共有持分が敷地利用権となるため、これはすなわち「契約によって成立した利用権」ということになるわけです。

したがって、2は「正しい」となります。

 

 

3は、使用貸借契約によって成立した敷地利用権は登記によって敷地権を主張できるかを問う内容です。

敷地権を主張するためには登記が必要です。しかし、その前提として「専有部分と分離して処分することができないもの」という条件があります。

Bに容認された敷地利用権=使用借権は分離して登記できませんので、これを敷地権とすることはできません。

したがって、3は「誤り」となります。

 

 

4は、敷地利用権の分離処分について。

原則として数人が所有している敷地利用権は分離して処分することができません。しかし、この設問では「各専有部分の底地ごとに区画して分筆」しているので、AとBが単独で敷地利用権を主張できる状態にあります。

となると、分離処分禁止の対象とはならないために、Bは専有部分とその専有部分にかかわる敷地利用権とを分離して処分できることになります。

したがって、4は「正しい」となります。

 

 

正解は「肢3」です。

 

 

地上権や敷地利用権は、分離していれば「分けて処分できる」、なければ「処分できない」という単純な構造なのですが、誰が所有して、どのレベルの権利をどう分けているのかが見えづらいことが多いようです。これで混乱して、時間を取られるケースが考えられるので、問題を単純化して考えすぎないようにするか、スルーするのも受験テクのひとつかもしれません。