平成26年度管理業務主任者試験問題[問1]解説
平成27年(2015年)の管理業務主任者試験が平成27年12月6日(日)午後1時から3時の予定で実施されます。
この資格試験は過去問(過去の試験での出題)のチェックが有効な対策と言われています。
実際に私も過去問を中心に追い込み勉強をして、無事に合格することができました。
このブログでも今年受験を予定している人のため&自分の復習のために、平成26年の問題をチェックします。
(問題部分の画像はクリックで拡大できます)
「民法・判例」に属する出題です。難易度はそれほど高くないので、得点源したい問題です。
正解肢を1つ選ぶ問題なので、順番に内容を見ていきましょう。
1は、物権変動における二重譲渡のケースです。前提として、不動産に関する(所有権の取得などによる)物権変動では、登記がなければ第三者に対抗できません。
ただし、二重譲渡のような場合では、「先の契約があったこと知っていた(悪意)か、過失によって知らなかった(善意有過失)」であっても、登記順で権利を主張できることになります。
つまり、Cのほうが先に登記していれば、「Bに主張できる」ので、1は誤りとなります。
2は、通謀虚偽表示の問題です。通謀虚偽表示によってなされた意思表示は「無効」となるので、善意の第三者に対抗することができなくなります。従って、Cの契約を無効であると主張できなくなるわけですが、Cが知っていた(悪意)の場合には、これが対抗できるようになります。
したがって、Aは本件契約の無効をCに主張できるので、2は誤りとなります。
3は、詐欺に対する意思表示について。詐欺による意思表示は「取り消すことができる」ように定められています。「無効」ではないところがポイントになります。
さらに、第三者が詐欺を行った場合には契約相手とは別なので取り消すことはできませんが、契約相手(このケースではB)が詐欺を知っていた(悪意)の場合にかぎって、この契約の意思表示を「取り消す」ことができます。
したがって、3は正しい内容です。
4は、要素の錯誤について。契約など意思表示をする際に、「法律行為の要素に錯誤」があったとき(つまり勘違いして法律をうろ覚えしていたなど)は、その意思表示は「無効」と定めています。
しかし、意思表示の表意者に「重大な過失」があった場合には、無効を主張することができなくなってしまいます。
重大な過失とはどんなものかはいろいろ考えられますが、試験ではそこまで突っ込んだり引っかけたりしませんので、「要素の錯誤は無効」「重大な過失のある要素の錯誤は無効を主張できない」と覚えておきましょう。