修繕積立金が足りないマンションに残された4つの窮余の策について

 

マンション購入時に重要な判断材料となるのが修繕積立金です。

 

9371983506_1d0377df3a_m photo by vic xia

 

これはしっかりしたエージェントであれば調査してくれるのですが、売らんかなの業者では重要事項にもかかわらずおざなりに済まされたりするので、注意が必要です。

「マンションの修繕積立金が足りない さあどうする?|All About」という記事では、修繕積立金が「資産価値に特に悪影響を及ぼ」すと指摘、なぜ不足するのかと、どう対処するかについてをざっと解説しています。

 


そもそも修繕積立金は、将来的にそのマンションがどのような修繕を行なうかという計画に沿った資金を準備しておかなければ意味がありません。

しかし、実際にはどの時期のどうのような修繕工事がどの規模で必要なのかを確定するのは難しく、それが修繕積立金の問題を不透明なものにしているとも言えます。

さらに、先手を打てば施工業者との折衝などによって予算を抑えながら資産価値の維持も可能ですが、その先手が妥当であったかどうかの検証は実際には不可能でしょう。一方で後手に回れば緊急対応で割り増しの出費となるなど、資産価値の毀損に加えて修繕積立金への影響も大きくなるでしょう。

 

修繕積立金不足への対処を補足してみよう

記事では修繕積立金不足に対して「工事直前の一時徴収」「修繕積立金の値上げ」「借り入れ」「後期の繰り延べ」の4つの対処を挙げています。

「さあどうする?」というタイトルの記事にしては、それを解決する4つの対策についてほとんど触れずに終わっているので補足しましょう。

 

まず、長期修繕計画があるかないか、どの程度の内容かによって、「修繕積立金の値上げ」ができるかどうかが決まってきます。根拠のない値上げ議案は総会で否決される可能性が高いというのが実情です。

そもそも修繕積立金が不足してしまうような管理組合では、修繕計画も綿密に立てられているとは言えないでしょう。そうなると、トラブルが発覚してから修繕工事に取り掛かるというパターンが多いと思われます。見積もりが上がってきてから足りないことがわかり、「一時金の徴収」か「借り入れ」か「繰り延べ」かしか選択肢が残っていないことに気づくわけです。

「一時金の徴収」は「修繕積立金の値上げ」と同様に賛同を得にくい議案です。一時金の支払いを拒んで管理組合から滞納訴訟を受けたケースも、私が知る範囲であります。

「借り入れ」については、貸出先の条件がかなり厳しいので、足りないからすぐにというわけにいかないことも多いようです。対処が後手に回りがちな管理組合では管理組合会計に関して金融機関の基準に適合しないことも多かったりするので、なおさら借り入れのハードルは高くなります。

比較的、マンション管理組合にやさしいと言われる住宅金融支援機構の「マンションすまい・る債」でも、5つの要件を満たしていなければ制度を利用することができません(参照:マンションすまい・る債 ご応募いただける管理組合)。

 

まとめ

面倒なことになるのは、面倒だからと先送りするから・・・。

面倒なことにならないように、面倒なことは先手を打っておいたほうがいいと思うのですが。