家主の“拒否感”をぬぐうための国策がスタートしそうな件(賃貸人の入居拒否を低減させる政策について)

 

8401552969_1809c04eed_m The Sea & Me by Send me adrift.

 

2010年に日本賃貸住宅管理協会が実施した調査では、賃貸人の半数以上が事情のある人に部屋を貸したくないと回答しています。

 

これは、2010年11月に全国約100万人の家主に対して行なった調査によるもの。

 

高齢者に対して「拒否感を抱く」と回答した家主は59.2%。障害者に対しては52.9%と、いずれも高い確率で「入居拒否」につながりかねない感情を抱いている結果が出ていました。

 

これを受けて国土交通省は、この割合を2020年度までに半減させる「数値目標」を決めたそうです。

 

「数値目標」とは、高齢者・障害者に対する家主の拒否感を30%に、子育て世帯に対しては10%以下に減らすという内容です。

 

これは、高齢化社会に向けて独居老人の問題が避けられないことや、障害者の自立の住宅面での援助、少子化対策にもつながる住宅政策として考えられたもののようです。

 

なにをどうすれば「家主の拒否感を減らす」ことができるのか?

 

しかし、「拒否感」という曖昧な表現と、それをどうすれば減らせるのかという具体的な政策についてニュースは触れていません。「あめ」なのか「ムチ」なのか?

 

不動産賃貸は規模によって「業」として認められるように、ビジネスとして成り立っているものです。従って、入居者に対する家主=賃貸人のビジネス的な知識や冷静な対応が求められます。

 

社会的弱者に対する対応は急務です。そのバランスを取るために政府が対応するのは当然かもしれませんが、そのやり方はしっかり監視する必要があるでしょう。

国土交通省の基となる資料はこれのようです。

 

安心居住政策研究会 中間とりまとめ|平成27年4月 安心居住政策研究会

 

ものすごくわかりにくいデータをピンポイントに拾って記事にしているようですが、広報用に別のサマリーが配布されたのかもしれませんね。

 

そうであれば、なにか意図的に動こうとしていることが考えられますね。

 

資料を見ると、UR都市機構にいろいろと託したいような……。それで実績を作っておいて民間に広めようとしているのでしょか? それともURの空室対策に国費を捻出するための策略か……。

 

参照:「入居拒否」家主半減へ 国交省が数値目標|47 NEWS