東京タワーの事故を教訓にマンションのエレベーター修理時期についても考えておきたい

 

45年以上、部品交換なし 東京タワーエレベーター事故」という記事で、2013年9月に事故を起こした東京タワーのエレベーターについて書かれていました。

 

8528427176_ecace5fe52_m photo by CaDs

 

この事故は……

 

エレベーターの厚さ6.8mmの窓ガラスを鉄板が突き破り、中にいた6歳男児がガラス片で負傷したというもの。

 

このほど公表された国交省の報告書によると、「設置後45年以上の滑車の老朽化でゴンドラをつるすワイヤロープが切れ、はずみでその周りの鋼板が落下した可能性が高いと結論づけた」そうです。

 

事故は特別展望台(地上250メートル)から大展望台(同150メートル)へ下降を始めた直後に発生。特別展望台の上方約7・5メートルにある機械室でワイヤロープを覆っている鋼板(重さ3・5キロ)が落ちてガラスを突き破り、男児は割れたガラス片で左手の甲に切り傷を負った。エレベーターは非常停止し、男児を含む12人が約2時間閉じ込められた。

 

機械室の鋼板を止めていたネジが外れ、6本あるワイヤーロープの1本も破断していたとか。

 

滑車の溝が経年劣化で削れて段差ができたことが原因のようです。

 

このエレベーターは1日約900回起動しているが、滑車はエレベーターが乗客用に改修された1967年以降、一度も交換されていなかった。国交省によると交換時期は法的に定められていないが、報告書は事故3日前に保守会社が「異常なし」とした点検を「確認不足」と指摘。国交省にも、現状の定期点検で足りない部分は必要な措置を講じるよう求めた。

 

マンション共用部分のエレベーターは法定点検があるのですが、こういう特殊建築物にはなかったというのは意外です。

 

エレベーターでは部品在庫がなくなる30年ぐらいでリニューアルしろとメーカーや保守会社が営業をかけてきます。全体を新しくすると2千万円ぐらいとか言われるみたいですね。

 

カゴはそのままで動力部分を入れ替えるとその半分ぐらいで済むようですが、いずれにしても大規模修繕に匹敵するような工事になります。

 

なによりも、動かない期間があると居住者や利用者に多大な影響が出るので、神経を使う工事であることは覚悟しなければなりません。

 

関わっているマンションで、カゴはそのままにしての動力系リニューアルをしたことがありますが、工事期間設定から告知、休止期間中の対応など、とてもたいへんだったことを覚えています。

 

ただ、給排水管の交換と同様、ライフラインの重要な設備ですので、いたずらに引き伸ばしをせず、計画的に工事を行なったほうがいいと思います。

 

壊れて動かなくなってから対処するのでは遅いですから。。。