理事会の負担を減らす点で第三者管理者方式の検討は有用か? #マンション管理

 

「第三者管理方式をリゾート型マンションで取り組む」という記事が目に止まりました。

 

404003608_299b05da2a_m photo by black_eyes

 

記事は……

 

「マンション管理センター通信」2013年10月号に掲載されたマンション管理士・崎濱宏勝氏によるものです。

 

崎濱氏は沖縄県宜野湾市在住で、原稿で取り上げているのはRC造9階建て45戸築18年というビーチ隣接のリゾート型マンション。

 

リゾート型ということもあって完全に賃貸化したことにより、特定の組合員に組合運営の負担が集中して「どうにかできないか」と相談を受けたようです。

 

崎濱氏は状況を分析、

1)管理の質を落とさず管理費の支出を削減

2)理事の負担を軽減

という2点に絞って対策を立てることとします。

 

その結果浮かび上がったのが、第三者管理者方式の導入案だったということです。

 

第三者管理者方式と言っても規定やマニュアルがあるわけではなく、それぞれの事情にあわせてカスタマイズしなければなりません。

 

この件では、「理事会廃止型」と「理事会並存型」を検討。

総合的に判断した結果、「並存型で自主管理」を選択することになりました。

 

概要としては、30項目あった管理組合理事会の業務のうち、「管理組合を代表し業務を統括」「総会の招集」「総会における業務執行に関する報告」等23項目を管理者に委託するというもの。

具体的な内容は書かれていませんが、「理事長の業務を管理者に選任したマンション管理士等の専門家に委託」とあるので、マンション管理士が代表して管理社業務を行ない、管理会社等へ委託業務等の発注を行なうスタイルをとったのではないかと考えられます。

 

第三者管理者方式については、マンション管理組合交流会などでも話題となり、概要についてレクチャーを受けたことがありますが、所有権と第三者の関係をどのように定義づけるかでシステム自体がまだ決定ではなく、従って管理組合側やマンション管理士側でも肯定的な意見は少なかった印象があります。

 

しかし、記事のマンション以外にも居住区分所有者の減少や高齢化といった理事会運営困難に陥っているマンションは多く、今後も増えるばかりでしょう。

こうした問題は、顕在化した時点では不安や反発が多いものの、どうしようもなくなってようやく動きだすという厄介な問題のひとつです。

どうしようもなくなるまで待つしかないとあきらめるのでは策がありませんので、理事のなり手に不安が出てきた時点で「いろいろな方法があるようだ」という知識を徐々に共有できるようにするというスタンスがベターなのではないでしょうか。