[reading memo]マンションのコミュニティ支援の可能性と限界(「マンション管理センター通信」2013年9月号)

 

「マンション管理センター通信」2013年9月号に、立命館大学政策科学部教授の高村学人氏が寄稿した「家族の多様性とマンション・コミュニティ」というコラム。

 

8323687013_f244af277c_m photo by Nhoj Leunamme == Jhon Emmanuel

 

記事は……

 

高村氏の著書『コモンズからの都市再生』で分析された標準世帯と非標準世帯のコミュニティに関わる行動様式や意識の比較についてピックアップしています。

 

標準世帯とは、夫婦で子育て中の世帯を指し、子どものいない世帯を非標準世帯としています。

 

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自治体が行なっているマンション・コミュニティ支援の方法は、地蔵盆や夏祭りの開催など子ども向け親睦行事を仕掛けることが中心となっている。一見すると、子どもが多く参加するため、賑わいも生まれ成功しているかの印象を与えるが、実際、これらの行事を冷ややかに視ている住民も多く、(中略)このような親睦的なつながりがマンションの管理連携に繋がるとも言えない。

 

(中略)部分は、著者が行なったファミリー向け分譲マンション5棟で実施したアンケート調査に関する記述で、この対象は約15%が単身世帯(多くが仕事をもつ女性シングル)、標準世帯は6割で残りは非標準世帯でした。

 

3.11をきっかけに、マンションのコミュニティを考え直すところも増えているようですが、都心では単身向けコンパクトマンションの普及が増加しているなど、コミュニティづくりには反する展開も見えます。

逆に、居住者ではなく勤務者の被災時の対応というコミュニティづくりも考える必要があるマンションもあるでしょう。

いずれにしても、管理組合は居住の実態を(緊急時の連絡リストなどで)把握しながら、画一的ではなくいくつかのパターンに分けたコミュニティづくりを模索する必要がありそうです。