大規模修繕の工事業者選定で参考になるのはY評点600以上

 

公益財団法人マンンション管理センター発行の

「マンション管理センター通信」2013年3月号に

有限会社建物診断センター代表取締役の澤田博一氏の

「大規模修繕の工事業者選定で経営事項審査の活用を考える」

という記事が掲載されていました。

 

5646291191_a602e7734c_n photo by Walt Stoneburner

 

この記事は……

 

大規模修繕の着工承認を管理組合総会で得るためには

工事業者各社を比較検討して選定した根拠が求められるため、

その1つとして「経営事項審査」と呼ばれる制度により

計算された業者ごとの評点がその根拠として用いられる

事例が増えているとして紹介しています。

 

経営事項審査とは、「公共工事を発注者から直接請け負おうとする

建設業者に対して、国土交通大臣または都道府県知事が行う

建設業者の経営に関する客観的事項の審査」のことです。

 

つまり、建設業者の「通信簿」というわけですね。

 

この記事では4ページにわたって、経営事項審査の歴史から

申請と手順、評点の計算方法などを解説していますが、

これを詳しく知っている必要はないでしょう。

 

この記事が残念なのは、「経営事項審査という使える

資料がありますよ」という紹介だけに終わっていて、

具体的にどう使えばいいのかを解説していないところ。

 

 

経営事項審査には各業者のついての評価が項目ごとに

記入されているのですが、最終的な評点としては

1)経営規模を示すX1評点 X2評点

2)経営状況を示すY評点

3)技術力を示すZ評点

4)その他(社会性等)を示すW評点

という数値を叩き出しています。

 

そして、大規模修繕では2)のY評点を参考にしなさいという

アドバイスをもらいました。

ほかの項目のそれぞれの評点については、ほかの工事には

必要となることもありますが、大規模修繕に関しては

それで十分でしょう、ということです。

 

そして、そのY評点に関しては600点以上であれば

信頼に足るということです。

 

もちろん、これも万全ではありませんが、

雲をつかむような大規模修繕の業者選定で、少しでも

数値によって見えるかたちで業者を選べるのは

管理組合の役員にとっては安心材料になるとともに

有効な総会資料となってくれるに違いありません。

 

なお、応募基準で考慮すべき点は、

1)自社で直接受注できるか

2)同等規模で過去3年に10件以上の実績があるか

3)管理組合と大きなトラブルを起こしていないか

の3点もあわせてチェックするといいでしょう。

1)と2)は募集条件に資料として添付してもらえば

いいでしょうし、3)は応募会社から申し出るはずは

ありませんから、2)の管理組合に問い合わせてみると

いいでしょう。

ちょっと面倒ですが、電話のひと手間がトラブルを

防いでくれますし、相手も「こんど大規模修繕で……」

と話せば自分たちの苦労話を語ってくれる可能性も少なく

ないと思われます。

なによりも「あんな業者はやめたほうが

いいよ」というような悪口はぽろっと出てくるものです。

 

経営事項審査の取得は、下記リンクからできます。

 

http://www7.ciic.or.jp