マンション内の近隣トラブルにどう対処すべきか(「鍵穴に接着剤事件」を参考にして) #マンション管理

エグい事件がニュースとして流れてきました。

photo by freestylegirlzz

自宅マンション管理人室など鍵穴に接着剤 40歳女を逮捕:社会:スポーツ報知

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自宅マンション管理人室など鍵穴に接着剤 40歳女を逮捕

 自分が住んでいたマンションの、管理人室のドアの鍵穴に接着剤を注入して使用できなくしたとして、警視庁杉並署は25日、住所不定、無職の平野由希子容疑者(40)を器物損壊容疑で逮捕した。同じマンションにある8室にも、ドアの鍵穴に接着剤を注入しており、容疑を認めている。犯行後には10階にあった自室に火を付けて、救急搬送されていた。

 同署によると、逮捕容疑は、今月18日午後11時から19日午前4時過ぎまでにかけて、東京都杉並区高円寺のマンション1階にあるオーナーの男性(77)宅の玄関ドアの鍵穴に接着剤を注入してふさいだ疑い。同容疑者はさらに、マンション10階と9階にある8室でも、同じ手口で鍵穴をふさいだ。

 また、19日未明には自室と階段の踊り場2か所に放火した疑いが持たれている。消防が駆け付けて消火したが、それぞれ約10平方メートルを焼いた。救急搬送された同容疑者は、左の頬や左手などをやけどしたうえ、一酸化炭素中毒になって入院した。マンション住民はドアを開けて避難したため、けがはなかった。

 平野容疑者は約5年前から、ほかのマンション住民と生活騒音を巡ってトラブルになっており、オーナーから退去するよう求められていたという。同署は同容疑者の退院後に逮捕。「復讐(ふくしゅう)するためにやった」などと供述しているという。同署では放火の疑いでも調べを進めている。

(2013年12月26日06時02分 スポーツ報知)

記事で足りない部分は、この逮捕された40歳女性がどういう賃貸借契約を結んでいたのかということ。

「オーナーから退去するように求められていた」とあるので、1棟オーナー物件でのトラブルもしくは、戸別のオーナーによる区分所有法によるマンションであるかのどちらかとなりますが、その点は読み取れません。

1棟オーナー物件であればすべてがそのオーナーの所有権の範囲内ですので、オーナー対40歳女性の問題に帰結します。

ほかの部屋で被害をこうむっている貸借人は基本的にはオーナーに鍵を修復してもらうなどの手当てをしてもらえば終わり。個別に家賃の交渉をするぐらいの余地しかないと思われます。

一方で、管理員室もあることから、複数の区分所有者が存在するマンションである可能性も高いと思われます。

その場合は、専有部分と共有部分を明確にして、個人の部分に関する損害は個別に、共用部については管理組合が代理して、現場を回復し、必要であれば慰謝料を含めた請求をし、不調に終われば訴訟ということになります。

共用部かどうかは、訴訟を前提にすれば管理規約にきちんと定めてあることが求められます。鍵など共用部として管理していない場合は、入居時の鍵交換の領収書などがあるといいのですが、無い場合にはなにか訴訟資料を探す必要が出てくるかもしれません。

いずれにしても、5年前からのトラブルが積もり積もっての凶行。

管理会社(がいたとすれば)もっと早い対応で被害を軽減できたかもしれません。

また、管理組合こそ、きちんと適切な対応ができていたかを検証すべきです。

物件の価値が大きく毀損されたことを考えると、触らぬ神に祟りなし的な対処では被害が大きくなるばかりであることを、この事件から学びたいと思います。