ベランダなどの専用使用部分や階段踊り場などの共用部分での喫煙には違法性があるとする判決があったという件 #マンション管理

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マンション管理士の元締めであるマンション管理センターから定期的に送られてくるメルマガに、「ベランダでの喫煙に関し慰謝料の支払いを命じた名古屋地裁の裁判例、管理組合による各戸水道料金の徴収に関する名古屋高裁の裁判例」という見出しがありました。

興味があったので読もうとしたら、年間3,000円ほどの利用料が必要とか。

ということで、ほかの記事を検索してみたら、詳細を伝えてくれる記事が見つかりました。

記事へのリンクはこちらから…

 

つなごう医療 中日メディカルサイト | ベランダ喫煙で慰謝料 下階の男性に支払い命令  名古屋地裁 
マンションの下の階に住む男性(61)がベランダで吸うたばこの煙で体調を崩したとして、名古屋市瑞穂区の女性(74)が男性に150万円を求めた訴訟で、名古屋地裁(堀内照美裁判官)は、近隣住民に配慮しない喫煙の違法性を認め、精神的な損害への慰謝料として5万円の支払いを命じた。 …

 

 

記事にもあるとおり、これまでこのような件では、迷惑行為の差し止め請求などを含めて和解による解決が一般的であったと思います。

というのも、迷惑行為と被害の因果関係を証明することが難しいと考えられるため。慰謝料等の具体的な請求がある場合にはなおさらで、確かに支払いを命じる判決が出たことは画期的だと言えるでしょう。

原告は呼吸器の持病を持っていたこと、扇風機や空気清浄機などの対策を講じて、再三に渡って被告に対して申し入れをしているなどの“手順”を踏んでいたことも証拠能力が高いと判断されたのだと思います。

一方で、被告の「マンションの規約ではベランダの喫煙を禁じていない」という部分は気になるところです。

こうした判決によって、規約内容を「ベランダ禁煙」などと改正しないまま放置したことで管理組合の責任が問われることも、今後あり得るということになってくるかもしれません。

ベランダは管理組合が専用使用権を与えて区分所有者に管理させているものであることから、区分所有マンションでは管理組合が「当事者同士の問題」として無視できない事例です。

管理会社等へ住民から苦情があった場合には、個人間の問題として放置せず、解決に向けて苦情に真摯に対応する必要があると考えます。