マンション管理組合のDX化について

人手不足の解消方法としてDX化があるように、マンション管理組合の役員成り手不足の解消方法でDX化は可能性があるのか、を考えてみます。

マンション管理組合DX化の目的

まず、マンション管理組合でDX化できることを挙げてみましょう。

●ペーパーレス化

マンション管理組合の運営業務の中心は、紙の書類のやり取りだと言っても過言ではありません。

役員会招集、議事録、総会招集、議事録、それぞれの会合に必要なレジュメや資料などなど。それらをメール&添付ファイルのスタイルにに移行します。

●オンライン化1

マンション管理組合の集会(理事会や総会)をオンライン会議システムに移行します。

●オンライン化2

ペーパーレス化と連動して、総会の出席票などをアンケートフォームなどへ移行します。共用施設の利用申込や管理会社へのリクエスト、問い合わせ、トラブル報告などもオンラインで処理できるように移行します。

●オンライン化3

掲示物やお知らせなどをネット掲示板やメーリングリストへ移行します。
マンション管理組合DX化のリスク
とりあえず管理組合の活動のなかでDX化できそうなところを列挙してみましたが、それぞれ実行可能性は100%とは言えないところが現実です。

ペーパーレス化のリスク

集会の資料や議事録などのデンタル化は簡単ですが、問題はアクセス方法です。

一斉メールで通知しても届かなかったり開かなかったりというトラブルがあると、結局は「印刷したチラシをポスト投函&郵送」の手間と紙は省けそうにありません。

●オンライン化のリスク

前段の未達リスクに加えて、データのアドレスを一覧したり検索する方法を知らせる手間が発生します。

データベース化にあたっては、階層や検索のためのファイル名などのルールを決め、周知と管理が必要になります。

また、データ管理者のアクセス権限は厳重に管理しなければなりません。

とりあえずの結論

マンションを組合の運営内容を完全にDX化するのは、現状では無理だと言わざるをえません。

法的に定められた集会の通知などは、権利者に必ず届かなければならず、メールによる通知では信頼性が担保できるとは言い難いからです。

携帯電話番号に紐づいたSMSでの連絡のような確実性のある方法が一般的になるまで待たなければならないと思います。

デジタル難民への対応

デジタルリテラシーを向上されるのは一朝一夕にできるものではありません。

導入するシステムをマスターさせるために問い合わせ窓口を設置したり講習会を開いたりという手間をかけるのでは、手間を省くためのDX化の意味がないのは言うまでもありませんね。
いまできるDX化とは?
ザッと書き出しただけでも、管理組合の業務はまだまだアナログで、紙などを必要とすることが多く、そのほとんどが現状で一挙にデジタル化できないことが見えてきました。

管理組合のDX化は、もしかしたらマンションの土地売却と同じような、「ワタシはネットもスマホも使っていない」という人が1人でもいると完全移行できないというぐらいハードルの高いものなのかもしれません。

しかし、だからと言って諦めるわけではなく、図面や修繕記録などをデジタル化したり、メールやアンケートフォームも併用して慣れておくことは社会的にも必須と言えます。

そして、デジタルツールを使ったときの不具合を共有し、代替案を探すといった努力は、決して無駄にはならないと思います。

DX化をめざすというよりも、よりよい管理組合運営のためにデジタルワールの有効活用ができないかと役員が知恵を出し合うと考えれば、管理組合活動の活発化にプラスになってもマイナスにはならないはずです。