マンション管理の極意:信頼できる管理会社の見分け方[ダイヤモンド・オンライン記事]

週刊ダイヤモンドのオンライン版で連載が始まった「マンション管理の極意」というシリーズがなかなかまとまっていて勉強になります。

ちょっと前になりますが、第1回は「信頼できる管理会社の見分け方」と題して、マンションを購入したYさんという主人公を仕立てながら、マンションの管理についての基本的なポイントをピックアップして解説しています。

Yさんは、管理会社が言われた仕事をちゃんとしていないと不満を感じ、しかもちょっと調べると説明のつかない領収書が出てくるなど、不信感を募らせます。

外部の専門家(マンション管理士の無料相談にでも行ったのでしょう)に相談してみると、管理料も相場より高いようです。

委託料の交渉をしようとしたところ、けんもほろろの対応をされ、業を煮やしてリプレイスすなわち管理会社の変更を決意します。

ーーと、Yさんが新たに管理会社を選ぶにあたって、そもそも管理会社とはどんな種類があり、どのようなポイントで選別すればいいのかを、マトリクスを使って解説していきます。

契約に際しては、重要事項説明書をチェックすることが大切だとも。

そして、評価の鍵はフロントマンと呼ばれる管理会社の担当者が握っているとして、第1回を締め括っています。

総論としてはよくまとめられていて、参考になると思いますので、ぜひ読んでみてください。

マンション管理の極意:信頼できる管理会社の見分け方

気になった点は2つ。

重要事項説明書は総会資料として配布されることが多く、おそらく区分所有マンションの所有者であれば目にしたことがあるはずです。しかし、細かい字でなにやら多くのことが記載されているため(保険などの約款と同じですね)目を通さない人も多いでしょう。

さらに、読もうと思っても、専門的な知識がなければ理解できない部分も多いので、うろ覚えの知識で総会等で詰め寄る人がいることも事実です。

つまり、チェックしろと言われたから、重要事項説明書を盾に管理会社を吊し上げようとしたが、根拠を提示できずに適当にあしらわれて、余計腹が立ったという事態に陥ってしまうのです。

もうひとつは、フロントマンがマンション管理の鍵を握っているのは確かですが、なかなか管理組合がフロントマンを選ぶのは難しいということ。管理委託の相手は企業なので(マンション管理業者として登録している必要があります。これも重要なチェック・ポイントです)、会社の都合で担当は決められます。

実は、私が関係している管理組合では、いろいろとトラブルが多かったフロントマンを、支店長まで呼び出して変更させたという実績があります。これは、理事会が一丸となって交渉しなければ、なかなか実現できないでしょう。管理替えをちらつかせながら、優秀なフロントを回してもらえるように活動するのは「一か八か」ですが、これによって管理組合の管理への意識が高まり、結果的にはよい管理状態へステップアップできる可能性も秘めているので、検討に値する「奥の手」だと思います。