シェアハウスの自治意識に学ぶマンション管理の今後
近くのシェアハウスについて取り上げた記事がありました。
こうしたシェアハウスは、日本ではもともと公共の宿泊施設だったり社宅だったりしたものが、企業が持ちきれずに転用されることになったという例が多いようです。
この記事で紹介している物件も、もともとは社員寮だったとか。
それを住人の手でリノベーションしたというところがちょっと異質かもしれませんね。すなわち、自治意識が高いシェアハウス。
そんな独自の運営姿勢を紹介しているのが、この記事の趣旨です。
記事ではこのシェアハウスを「実験の場」として紹介しています。
基本的な利用方法はほかのシェアハウスとあまり変わらない印象を受けます。
しかし、大きく違うのは、DIYを積極的に行なえるという点。
このシェアハウスでは、このシェアハウスのために作ったものは、材料費と工賃をギフトとしてその作り手に返還しているそうです。
一般的な賃貸借契約では、賃借人が行なった変更は、原則として「原状復帰」しなければなりません。そして、その費用は賃借人が負担します。壁に釘を打ったら、出て行くときにはそれを抜いて、壁を元どおりに埋めなければならないのです。
ということは、この記事のシェアハウスでは、こうした賃貸借契約ではない自主性を住人に与えているということ。欧米では賃借人がある程度の管理責任を与えられ、自分が住む部屋の価値を高める変更が許されていると聞きます。
記事ではキーワードとして“パーマカルチャー”という概念が紹介されていますが、貸し手と借り手のコンセンサスがあれば、とてもおもしろい試みに発展するかもしれません。
シェアハウス的な管理組合運営はアリかも?
一般に賃貸物件は隣人に無関心と言われ、それがメリットでもありデメリットでもありますが、無関心であることのデメリットであるかなりの部分を“衆人意識”によって解決できるようになるのではないかというわけです。
私は管理組合活動をとおして管理組合の限界を感じ、それを補うのかが自治意識ではないかと考えています。ただし、従来の自治組織(町会の自治会)には大いに疑問があるので、その改良と融合を考えたいと思っていたところでのこの記事との出逢いで、大いに刺激されました。