耐震補強のニュー・トレンドとして包帯が定着するといいのだがと思った件

 

SRF工法、通称「包帯補強」がにわかに注目を浴びている。

 

包帯で補強?これが最新のマンション耐震だ | 最新の週刊東洋経済 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト



 

実は私の関係しているマンションでも……

 

SRF工法での耐震補強を検討している物件があります。

遡れば2年ほど前、管理会社から提案されたのがこの工法。

 

最初は「え? ただ柱をグルグルと巻くだけでしょ?」と半信半疑。理事の賛同も得るのが難しい状態でした。

それから1年余、いろいろ調べてみると、一級建築士からも「少ない費用で大きな効果」 と評価が高いことがわかってきて、総会議案として取り上げるまでに議論が熟成してきています。

 

問題は、この工法が耐震補強として重要事項説明事項に抵触するか否か。

 

記事では安心の担保として導入を進めていますが、投資型マンションの場合はネックになりかもしれません。

 

そのため、耐震診断を抜きにして単なる補強として処理するなど、いろいろな案が出ています。安くなるとはいえ、大規模修繕の計画には入っていない大規模工事になるわけですし。

 

補助金を当てにすると、きちんとした耐震診断が要件になるでしょうから、どれだけの負担率になるかをちゃんと見極める必要があるでしょう。

 

いずれにしても、選択肢が増えるのはいいことですが。

 

なお、SRF工法は、構造品質保証研究所という団体がまとめていて、参加業者に発注することになります。これが包帯補強の値崩れと品質安定を担保することになっているようなのですが、これもまた管理組合の従来の発注業務とは異なるプロセスなので、合意が難しいかもしれません。相見積もりとか「業者を叩く」ことに慣れている管理組合の体質も考え直さなければならない時期にきているように思います。

いずれにしても、いい工法がいい形で理解され、普及することを願っています。