マンション管理では専門外のそれまで見たこともなかった見積書を見なければいけないという問題
マンション管理の見積比較 という記事を読んでいて、確かに管理組合の理事をやっていると、見積書とどう付き合うかという問題に直面するんだよなぁと思ってしまいました。
記事では、マンション管理士が委託内容の見直し過程で……
膨大な量の見積書を比較しなければならないというケースを紹介しています。
マンション管理士が業として依頼を受けて、管理委託契約の見直しをして、業者を選びなおす作業においては、こうした見積書の検討は避けて通るわけにはいきません。
クライアントの依頼に答えを出すときに、確かな裏付けがなければならないからです。
ところが、この見積もりは、依頼時に共通の様式を設定しておかないかぎり、業者ごとに異なるのが通例です。
摘要が異なる見積書をどう見比べていくのかがマンション管理士の腕の見せ所・・・とはとてもとても言えないというのが現実でしょう。
業者のほうこそが、腕をふるって同じ土俵に乗らずに仕事をゲットしようと全力でレトリックを駆使してくるからです。
人工や単価をバカ正直に出さないことはもちろん、あまり一切値段にしてしまうと値引き額も大きくなるので小分けにするなどなど。
相手は百戦錬磨ですから、とても素人が太刀打ちできるものではありません。理事会では安易に「相見積もり出してよ」としたり顔で声を上げる理事さんがいらっしゃいますが、じゃあちゃんとあなたが見積もり内容を査定できるんですか確かめたくなります。
逆に、内容を査定できるのであれば、実勢のある1社の見積もり内容を検討するだけで十分に適切な発注も可能ではないかと思います。
値引きゲームに賭けているような理事さんもいて、そうなると摘要なんか見ずに、ひたすら値段を削るべく手数料系にケチをつけるのに熱心になったりします。そりゃあ、タダで働けって言われたら、どこかで手を抜いてやろうと思うこともあるんじゃないでしょうか。
もちろん、常習的に値段を盛ってきた業界の悪癖の影響もあるんでしょうが、それこそ建設的な解決方法になかなかいたらないというのがこの問題の根深いところ。
一所懸命見積書の見方を勉強しても、理事会がそれを共有するレベルにないと無駄になるという問題もあります。
ジレンマの大きい問題だと思います。