業界で“あいみつ”と言えば“もうひとつ高めの見積もりを用意すること”だった
先日も当ブログで「やたらと相見積もりを要求しても、それを活用するスキルがなければ無駄足になりますよ」ということを書きました。
そうしたら別の人もブログで、「相見積もり」の内情を暴露されていました。
その記事へのリンクはこちらから……
「建築業界で『あいみつをお願いします』って言うと、『高めの見積りを用意してくれ』ってことなんだよ。
つまり、初めから特定の業者Aに工事を受注させる場合、
他の業者には業者Aの提示額より高い見積りを出させて、
その業者Aが見積り比較の結果、受注したように見せるために、『ダシ』としての見積りを言うんだよ」
私がブログに書いたのも、知り合いの建築関係の人からだったので、こうしたことは日常的に行なわれているのでしょう。
管理組合は素人集団なので、管理会社から提出された見積書を別の業者に持っていって、「これより安くできないかなぁ」なんて相談することもあったりするようです。
業者としては仕事を取りたいので、少しだけ安い金額を出して「相見積もり」として理事会で検討してもらったりするわけです。
そこには当然、品質の保証はありません。
もっと問題なのは、安く請け負う業者はトラブルが多いということ。これは経験上、確率が高いと言えます。もちろんですよね、どんぶり勘定でほかより安くやろうという業者さんなんだから、「安くやってやってんだから」という気持ちがあるのがあたりまえかも。
よく考えるまでもなく、まともな技術を持った業者なら、自社の仕事をちゃんと把握し、理不尽な理事会側の要求を「ここの部分は無理」というように断わってくるはずです。
修繕は安くすることが目的ではなく、必要充分な手当をして物件を少しでも長持ちさせることが重要です。
「ぼられていないだろうか」と疑心暗鬼になるのは、素人であることが多い理事会では仕方のないことかもしれませんが、安さに飛びついてしまうと「銭失い」になる確率も高くなります。
施工監理もしっかりとしている業者であれば、そのぶん見積もりも高くなりますが、安心して工事を任せられ、しかも仕上がりの不安が格段に減るというメリットがあるでしょう。
やはり、意味もなく業者を叩いて安くしたり、談合まがいの割引合戦に引っかかってひどい結果の修繕をすることのないよう、「なんで修繕工事をするのか」という本来の目的を忘れずに業者を選定して、気持ちよく働いてもらいたいものです。お互いのために。