マンション管理でアンタッチャブルだったことを考えさせられる「崖っぷち|特殊清掃 戦う男たち」

「特殊清掃 戦う男たち」というサイトの「崖っぷち」という記事。

特殊清掃が関係する案件は、マンション管理ではあまり表立たないながら、いつ起きても不思議ではなく、これからは増えることが予想されるものでしょう。

この記事で取り上げられているのは、通称「汚部屋」ことゴミ屋敷状態の話。

こういう案件になれているだけあって、依頼者の心情が手に取るようにわかっているところがすごいです。

この件では、設備点検に絡む拒否から、その理由がゴミ部屋状態であることの隠蔽であると推測していますね。実際には依頼を断わっているのて、本当のところはわからないようですが。

マンション管理でも、専有部分での協力が必要なケースが多々あります。

先日も、私自身の部屋に管理会社の担当者が入室。ベランダの状態を点検していきました。

理由は下の階で発生した漏水の原因追及。

予告なしでの来訪だったりしたので、最初は断わろうかとも思ったのですが、漏水ということだったので協力することにしました。

こういうケースでも、室内を見せたくない人は、入室を頑なに断わるのでしょうね。

専有部分への入室のケース

専有部分への入室が必要なケースは、以下が想定されます。

  • 下水道清掃
  • 警報器点検
  • 漏水調査
  • (ベランダ等の)修繕調査

このほかにも、修理などで室内へ入らなければならないケースは発生するとは思いますが、これらを絶対的に承諾しない入居者がいると、マンション管理が健全な状態に保てなくなるリスクが高くなるわけです。

記事では、「合鍵で入らざるを得なくなる」という超法規的な措置をちらつかせて、拒んでいる入居者に対処しようとしていますが、分譲マンションの場合ではこうした強硬手段がほとんどとれないのが実状でしょう。

いずれにしても、近隣からの悪臭苦情などで発覚するケースが多いので、専有部分だからと放置することはできなくなる案件です。

マンション管理組合としては、管理会社と連携して、証拠を集めて(悪臭を理由に近所の交番から警察官を呼んで、立ち会いのもとに内部へ入ったこともあります)、オーナーへの圧力を高めていくのが正攻法と言えるでしょう。居住者がオーナーの場合には、法的手段へ移るほうが早いかもしれません。

原則は「専有部分でも清潔美麗に保たれていないと建物全体の価値を損なう」というところを忘れずに、毅然と対処することが必要です。