パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワーの台風19号被災原因調査及び再発防止策検討状況の報告について

2019年10月12日に日本列島、主に本州中部を襲った台風19号は、各地に甚大な被害を残しました。特に、東京都と神奈川県の境目、二子玉川や武蔵小杉周辺では冠水の被害がひどく、タワーマンションがその機能を失するまでとなって、ニュースのトップを飾る注目を浴びる被災となっていました。

この被災に対して、当該マンションでは管理組合による原因究明のためのタスクフォースのチームを結成。4ヵ月を経た3月初旬に、報告書を公表しました。

この報告書を見ると、当該マンションでは理事会とは別に自主防災組織の「災害対策本部」を立ち上げ、原因究明を目的とした「タスクフォース」を設置したことかわかります。

タスクフォースを設置した理由には、原因究明や再発防止策の策定に対して理事会や災害対策本部、マンション管理会社では対応できないとの判断があったようです。

タスクフォースでのタスクに関する方針は理事会へ提案し、承認後に実施という承認系統になります。

従来は、理事会が被害状況の報告を管理会社から受けて、施工会社と見積を検討して議案を作成。臨時総会での承認を経て修繕──というものになっていたのではないでしょうか。

パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワーではこの範囲にとどまらず、原因究明を組織だって実施したことが評価されます。

というのも、こうしたエリア的な災害は今後も発生する可能性があり、マンションの範囲内での対応では回避できないからです。

そうなると、立地的なマンションの価値が従前とは異なってしまい、物件によっては大きく既存されることにもなりかねません。

タスクフォースが原因を究明して、マンションが負っていた隠れたリスクの回避可能性を打ち出したとしても、価値の毀損がまったくなくなるわけではありませんが、少なくとも無策よりは評価されるはずです。

こうした行動は、マンション内での共感度も高める効果があると思います。

マンションの対外的な価値を回復させるともに、マンション管理組合運営といった内部的な価値を大きくアップさせてくれるのではないでしょうか。

参照
https://stationforesttower.com/wp-content/uploads/2020/03/SFT-Report-20200229.pdf