管理費滞納で管理組合ができるのは効率のいい弁護士依頼だけではない気がするのだが

マンション購入の危険 滞納膨張で追い出し、高齢住民増で認知症事故やスラム化 | ビジネスジャーナル

という記事を読んで思ったことを書いてみます。

記事では…

「サンデー毎日」(毎日新聞社/11月30日号)の記事『「貧困老後」の現実 持ち家が老後を破壊する』を紹介して、近年顕著になっているマンション管理組合から競売で追い立てられる事例を示しています。

老後の住処のために保証人や更新の手間がかかる賃貸よりも持ちマンションという意見も多く聞き、それはそれで一理あるとは思います。

しかし、持ちマンションであってもまったく費用がかからないはずはなく、持ち家と同様に費用は請求されます。

なによりも管理費・修繕積立金は滞納が許されない費用。この点、賃貸であればオーナーが負担する部分を当然ながらオーナーである区分所有者が負担します。また、持ち家であればお金がなければ先送りする工事などもマンションでは計画に沿って行なわれ、従って支払いの義務を果たさない区分所有者は義務違反として対処されることになります。

月に数万円の軽い負担だと思っていても、意外に管理費・修繕積立金は家計を脅かします。

そして、自分は賛成していない工事でも管理組合は修繕を進め、維持のために資金を平等に負担するという名目で、義務を果たさない人に義務を果たすように迫ります。

サラ金の取り立てより怖いと私が思うのが、この管理費滞納への対処です。

最初は督促、そして訴訟と進み、裁判では滞納を100%認めない結末が待っています。

払うものは払うというのが大原則ですが、さすがに私も滞納訴訟で競売になったときは、管理組合側の人間としてはひと安心だったのですが、共有者のひとりを追い出す後味の悪さを感じざるをえませんでした。

弁護士に依頼すればとても手軽に手続きも済み、滞納も解消されますが、この問題は追い出して済むものではないような気もしています。

ノウハウをもった滞納処理のできる不動産管理会社もいるようなので、セーフティ・ネットを使うなど、もう少し選択肢が広がってもいいんじゃないかと思ったりするのですが。

同じ屋根の下の住人同士なんですから、かたちはどうあれ。