やりすぎ理事長は困ります #マンション管理

管理組合の理事のなり手不足は深刻です。

理事会でも総会でも、話題になるのは「誰が役員、やってくれないかねぇ」という、愚痴にも似たご意見ばかり。

ところが…

先日出席したある会合では、「理事長がヘンにやる気を出すとろくなことにならない」という意見が出て、ビックリすると同時に、そういうことがあるかもしれないと思いました。

その人によれば、理事長になると張り切ってなにか業績を残そうとする、そうすると無駄な工事を発注する、それは物件の価値を高めるのだから本人も周囲も悪いことだとは思いにくいーーというもの。

しかし、余計な工事をして美観がアップしても一時的なものです。その工事によって修繕積立金などは確実に減り、以降の修繕計画に影響してくることになります。

突発的なトラブルに迅速に対応するという意味での「やる気」はもっていてもらわないと困りますが、いわゆる「色気」を出されると、管理組合の支出が増えるだけで、益にならないというのも道理かなと思いました。

理事長が「この工事はこのマンションのためになるからやりましょう」と言えば、なかなか周囲は反対しづらいものです。反対する奴は自分のマンションの価値を貶める悪者のような視線を覚悟しなければならないかもしれません。

しかし、工事はメリットだけで判断するものではありません。いま必要か、その金額の内容が必要か、などいろいろと精査すべき点が多々あるはずです。

いちいち異議を唱えるのは面倒だし、専門知識がないと反論にならないかもしれません。

でも、理事長のために管理組合があるのではなく、管理組合がすべきことをするために理事長という代理人がいるということを忘れなければ、そうした暴走は食い止めることができるでしょう。

まずはなんでも任せちゃうのではないというところから、です。これは管理会社との関係でも言えることでしたね。