任期途中で役員が引っ越してしまった場合の対処 #マンション管理

マンション管理業協会のホームページに掲載されている弁護士の篠原みち子先生のQ&Aコーナー。

質問は…

任期の途中で理事長が転勤して売却してしまったので、どうしましょうというもの。

副理事長が繰上げで理事長になっていいのかな、と。

まず、売却した理事長さんは区分所有権がなくなったので、役員にはなれなくなります。

臨時の処置として、副理事長が理事長を代行することができると、標準管理規約には定めてありますので、これに準拠した管理規約の管理組合であれば、当座の間は副理事長にお任せします。

理事の人数について規約に規定されているのであれば、定数を満たさないものとして理事会の決議等が無効になる不都合も発生しかねません。

よって、新しい役員を補充しなければなりません。

これは、任意で選ぶことができないと規定されていることが多いようです。

というのも、役員の選出は集会(総会)によるという規定が規約に載っている場合が多いからです。これは任意に役員を決めたり辞めさせるのを避けるための措置ですが、これがネックになったりするのですね。

ということで、臨時総会を開いて、新規役員を選出、理事会を直後に開催して理事長を選任する、という手順が最も推奨できる方法になります。

このような場合に備えて、管理規約に「役員が転出、死亡その他の事情により欠けた場合、補欠の役員を理事会の決議で選任することができる」と定めておくことも出来ます(標準管理規約第36条関係コメント)。

篠原先生はこのような“裏技”も紹介していますが、管理規約の改定には特別決議が必要であることも忘れてはいけません。

いずれにしても、役員の補充や変更は簡単じゃないぞということを覚えておいたほうがよいと思います。