進むマンション建て替え #マンション管理

マンションの老朽化は、管理の是非に関わらず、どのマンションにもやってくる問題です。

もちろん、管理がよければそれだけ寿命も延びますが、永久に逃れるわけにはいかない、そして深刻な問題です。

いったいいつ建て替えをやるのか?

「いまでしょ!」と言い切れればいいんですが、区分所有者の総意が整わないと進みません。

そこで導入されたのが、マンション建て替え円滑化法。

マンションの建替えの円滑化等に関する法律
(平成十四年六月十九日法律第七十八号)

YOMIURI ONLINEでは、円滑化法を利用してマンションの建て替え計画を進めた調布の事例を取り上げています。

進むマンション建て替え|YOMIURI ONLINE

東京都調布市の「調布富士見町住宅」は1971年に完成した分譲団地。5階建て計5棟(176戸)を現在、建て替えている。新しいマンションは2015年完成予定で、地上8階地下1階などの2棟計331戸となる。建て替えで増える住戸を販売して、建築費用に充てるため、旧住民の費用負担はない。

建て替え組合の理事長の話では、「水道管の水漏れがあり大規模修繕を考えたが、予想以上に費用がかかるために建て替えを検討した」とあります。

水道管すなわち給水管が水漏れするようになると、その修復はかなり大掛かりになります。

排水管もまたしかり。

ライフラインの大規模な修繕を検討する際に、建て替えも視野にいれて、というのはセオリーなのですが、困った状況によって意見がまとまるのがはたしていいことなのかどうなのか…。

もっと早くに手を打っていれば、お金も節約できて、不便を感じる期間を短くできたかもしれません。

シミュレーションできる専門家に相談することは、多少の費用はかかっても、結局は「元が取れる」お得な選択だと思うのですが、なかなか平穏な総会で「建て替えのことも考えましょうよ」と発言するのは、勇気が要ります。

というか、「なんだお前?」と、反感をかうことも多いようです。建築会社と連んで一儲けしようと思ってるんじゃないかと勘ぐられるんでしょうね。

それはそれ。筋道を立てて、区分所有者の利点を(廃墟になってしまっては元も子もないわけですから)挙げて、一気になにかを進めるのではなく、5年10年のスパンで自分の所有する資産をどうしていくのかを一緒に考えましょうという姿勢を見せるしかないと思います。

その際に、円滑化法という「手段」を使うことは、法律であるがゆえに、意見をまとめる求心力をもつ可能性があると言えるでしょう。

例えれば、「錦の御旗」といったところでしょうか。

錦の御旗|Wikipedia